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更新日:2021年2月10日
安城更生病院 感染症内科部長 鈴木大介先生
新型コロナウイルスの流行が始まって1年になります。そんな中、西三河地域にも流行が拡大し、安城市の感染者数も増えています。重症の感染者も増えていますが、病院のベッドが不足してきており、今後必要な治療がすぐに受けられなくなることが危惧されます。新型コロナに限ったことではありません。それ以外の病気・怪我・交通事故の患者さんも必要な治療が受けられなくなり、助かる命が助からなくなってしまうおそれが出てくるのです。
行政や医療機関が責任を持って医療体制の再整備に取り組むのは当然ですが、市民の皆さん一人ひとりが感染しない、感染を広げないという意識を持ち、基本に立ち返って予防策を実践していくことが非常に重要です。
感染に最も影響が大きいと考えられるのが「飛沫感染」です。感染者が咳・くしゃみをしたり、声を出したりすると、口や鼻からウイルスが混ざった“しぶき”が飛び出します。このしぶきは1〜2m飛んで床に落ちますが、周囲の人がこのしぶきを吸い込むと感染します。
新型コロナウイルスが厄介なのは、無症状の感染者や、症状が出る前の感染者のしぶきの中にもウイルスが混ざっていて、気づかないうちに感染が広がることがある点です。
そのため、症状の有無にかかわらず「自分も他人も新型コロナにかかっていてもおかしくない」という心構えで対策する必要があります。
飛沫感染を防ぐ基本は、マスクを着け、人との距離を2m以上あけることです。マスクは、自分の口・鼻からしぶきが飛び出すのを遮り、周囲の人から出たしぶきを吸い込むのを防いでくれます。
しかし「マスクを着けていれば100%感染しない」というわけではありません。マスクの隙間からしぶきが漏れることがあるためです。2m以上離れれば、しぶきが漏れても相手に届きません。さらに、大声を控えて小声で話せば、しぶきの量が減ります。
食事の際は特に注意が必要です。どうしてもマスクを外す必要があり、感染の危険性が高まるからです。できるだけ家族・同居人以外との会食は控えましょう。どうしても会食する必要がある際は、できれば2m以上離れ、向かい合わず、マスクを外している時は声を出さないことを徹底しましょう。
それぞれの予防策は完璧ではありませんが、新型コロナウイルスがどのように感染するかを意識し、状況に応じて複数の予防策を組み合わせることで、効果的に感染の危険性を減らすことができます。
コロナの流行が収束するのは半年後なのか、1年後なのか、あるいはもっと先なのか、まだ目途は立っていません。
それでも明けない夜はありません。必ず来るその時まで、基本的な予防策を地道に実践し、新型コロナウイルスに打ち克ちましょう!!
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