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更新日:2026年10月13日

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安城市減災まちづくり研究会の活動

令和8年度

テーマ:「子ども・子育て世代への減災を考える」

令和8年度第1回研究会

開催概要
  • 日時:令和8年8月6日(木)
  • 場所:安城市民会館
  • 内容:
    (1)講演「1.1からの歩み~能登半島地震後の学校経営」
    (2)支援活動報告「令和8年熊本地震の現状」
  • 参加者:約65名
研究会の様子

講演「1.1からの歩み~能登半島地震後の学校経営」

 第1回研究会では、能登半島地震で被災した穴水小学校の元校長・吉村明美氏に、「1.1からの歩み~能登半島地震後の学校経営」と題した講演をいただきました。発災直後の混乱から学校再開、そして復興へと向かう道のりについて、現場のリアルな体験が語られました。

○発災直後の混乱と学校再開への道のり
 吉村氏は、1月1日に経験したことのない揺れに見舞われ、近所の方と高台で一夜を過ごしたと語りました。翌日、学校へ向かうと校舎内は物が散乱し、足の踏み場もない状態でした。
 地震発生直後、停電により通信手段が限られる中、児童・職員の安否確認は困難を極めました。紙の名簿を頼りに電話をかけ、メールでの連絡も試みましたが、完了までに7日間を要しました。職員自身も被災者である中、数名で学校の片付けや避難所訪問を開始し、その過程で本校児童の訃報に接するという辛い現実にも直面しました。一方で、校舎も甚大な被害を受けており最終的に取り壊しが決定したため、地域の穴水中学校を間借りする形で学校が再開されました。
 中学校での「間借り生活」は、避難所となっていた同校に、さらに被災した高校も加わり、3校と避難者が同居する過密な状況でした。その中で、①トイレの確保、②通学路の安全確保、③学習場所の確保が大きな課題となりました。特に、避難者が利用していた教室を空けてもらう際には、行政や学校が連携し、移動先の武道場の環境を整えることを丁寧に説明して理解を得るなど、細やかな配慮がなされました。避難者と児童の動線を分ける「すみ分け」が、学校再開の重要な鍵となったことが報告されました。

○子どもたちの心のケアと主体性を育む教育
 再開当初、元気に見えた子どもたちも、緊急地震速報で泣き出すなど、心に大きな不安を抱えていました。そのため中学校での生活では、①児童の安全確保と心のケア、②授業形態の工夫、③昼食の提供、④放課後の児童預かりの4点に配慮。スクールカウンセラーを増員し、授業は対面とオンラインの選択制としました。また、給食が提供できないため教育委員会が支援物資を活用した昼食を用意し、放課後は教員とボランティアの協力で児童の預かりを実施するなど、子どもたちの状況に寄り添った対応が続けられました。厳しい環境下でも、5年生が企画した「6年生を送る会」や、室内用相撲マットを借りて実施した伝統行事「創立記念相撲大会」など、工夫を凝らした行事が行われました。
 こうした中学校での生活を経て、9月からは仮設校舎での再スタートを切ると、子どもたちも元気を取り戻していきました。仮設校舎では、①交流・体験活動、②児童が主体となる活動、③地震体験を伝える活動、④防災教育を重点的に実施。特に、教員研修で「体験を言葉にすることがストレス軽減につながる」と学んだことをきっかけに、岡山県の小学校とオンライン交流学習を行いました。子どもたちは自ら準備する中で体験を語り合い、「能登半島地震を忘れないでほしい」「応援の気持ちを持ち続けてほしい」という2つの願いを伝えました。

○講演から得られた教訓
 吉村氏と、同席した穴水町教育委員会の大間教育長からは、「日頃から地域住民を巻き込んだ防災訓練が、災害時の主体的な行動につながる」「何が起きても人と人が手をつなげば乗り越えられる」という力強いメッセージが送られました。災害時は行政や学校だけでなく、地域全体で困難に立ち向かうことの重要性を、改めて深く学ぶ機会となりました。

支援活動報告「令和8年熊本地震の現状」

 続いて、NPO法人「レスキューストックヤード(RSY)」の栗田氏より、令和8年熊本地震の被災地における支援活動の現状が報告されました。

○猛暑の中での過酷な避難生活と支援の枠組み
 報告によると、熊本県南部では死者38名、家屋被害1万5,000棟を超える甚大な被害が発生(8月5日時点)。連日の猛暑や今後の台風接近など、被災者は複合的な困難に直面しています。
 このような状況下で、「行政」「社会福祉協議会(災害ボランティアセンター)」「NPO・企業」の3者が連携する支援の枠組みが重要であると語られました。発災翌日からオンラインで情報共有会議「火の国会議」が毎日開催され、約100の支援団体が食料、医療、要配慮者支援といった分野別の課題を共有し、漏れのない支援を目指していることが紹介されました。

○「助けてと言えない人」に寄り添う支援活動
 栗田氏が率いるRSYは、御船町で行政と連携し、避難所に段ボールベッドを導入して環境改善にあたりました。一方で、より深刻な課題として「在宅被災者」の問題が挙げられました。家屋の外観は無事でも室内は散乱し、断水が続く中、自力で給水所に行けない方がいるという実態が報告されました。
 「震災後、生きる気力が湧かない」「誰かゆっくり話を聞いてほしい」。これらは、支援チームが訪問活動で耳にした被災者の切実な声です。向こうから「助けて」と言ってこない地域や人々をチームで訪問し、一人ひとりの深い苦悩や不安に寄り添うことの重要性が強調されました。

○「災害関連死」を防ぐために
避難生活における「災害関連死」を防ぐため、TKB(トイレ・キッチン・ベッド)の環境整備が急務であると述べられました。支援物資が届いても使い方が分からず活用されていないケースもあり、物資を届けるだけでなく、現場での具体的な運用支援が不可欠です。栗田氏は「『災害関連死を出さない』を掛け声で終わらせず、具体的に何ができるかを考え抜き、支援を継続したい」と締めくくりました。

まとめ

 今回の研究会を通じて、大規模災害時における学校の役割、平時からの地域コミュニティとの連携、そして一人ひとりの被災者に寄り添ったきめ細やかな支援の重要性を再確認しました。
 これらの学びを活かし、安城市減災まちづくり研究会は、「子ども・子育て世代」をはじめとする市民の皆様の安全・安心を守るため、具体的な活動を検討してまいります。

 

 

お問い合わせ

市民生活部危機管理課危機管理係

電話番号:0566-71-2220

ファクス番号:0566-71-2295