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更新日:2016年6月28日

98年ぶり、安城市で3件目の重要文化財指定へ

 安城市には、善光寺如来絵伝と聖徳太子絵伝(いずれも本證寺蔵)の国の重要文化財があります。これらは、大正7年(1918)に重要文化財に指定されました。これ以来、98年ぶりに安城市に重要文化財が誕生します。

 人面文壺形土器(じんめんもんつぼがたどき)

全国で初めて発見された人面文

 昭和52年(1977)、亀塚遺跡(かめづかいせき/東町)の発掘調査において、火をたいた痕跡の周辺から出土した、欠山式(かけやましき/弥生時代終末期、およそ1700年前)の壺です。出土当初は破片で、人面文が描かれているとは気づかれませんでしたが、発掘調査後の土器接合作業中に、人面文が描かれていることが判明しました。

細かな表現

 顔の輪郭(りんかく)に、瞳(ひとみ)のない目、目の周辺に書かれた曲線など、人の顔がしっかりと細かに描かれています。全国で見つかっている人面文は抽象的(ちゅうしょうてき)な表現が多く、ここまで細かに描かれたものはありません。

『魏志倭人伝』に書かれた弥生時代の人々

 『魏志倭人伝(ぎしわじんでん)』に、「男子無大小皆黥面文身(げいめんぶんしん)」(男は年齢の大小なく皆顔と体に入墨をしている)という記述があります。これに関係して、人面文の目の周囲に描かれている線は入墨(いれずみ)で、顎(あご)の部分に描かれている線は、入墨であるとも、ひげであるとも言われています。このように、弥生時代の風俗(ふうぞく)を知るための第一級資料であるということも評価されました。

 

 人面文壺形土器とともに、同じく亀塚遺跡から出土した線刻土器片20点も、附属資料として指定に含まれることとなりました。

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撮影:小川忠博

撮影:小川忠博

撮影:小川忠博

 

 

アロー2亀塚遺跡

 

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生涯学習部文化振興課文化財係
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