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更新日:2021年6月3日

令和元年度本證寺発掘調査

 本證寺の主な遺構(堀や土塁など)は戦国期や江戸期に築造されたものがあり、現在でもその一部を見ることができます。近年、堀と土塁の実態を把握するための学術調査を続けています。

 

令和元年度調査位置図

本證寺令和元年度発掘調査位置図

トレンチ1

鼓楼付近で、内堀の形状を確認するために設定しました。当初、上層は江戸時代、下層は戦国期の断面V字形の堀が当たると想定していましたが、調査の結果、堀の底は平坦になっており、戦国期の遺物もありませんでした。このことから、現在の鼓楼北側の内堀は江戸時代以降に整備され、戦国期の内堀とは位置がずれていると考えられます。

トレンチ2

庫裏の北側に、外堀の正確な位置や規模を確認するために設定しました。調査の結果、戦国期の溝と江戸期以降の溝や道路、側溝が見つかりました。しかし、これまで境内西側の調査で確認されたような断面V字形の堀は検出できませんでした。この結果を踏まえ、庫裏北側の外堀は想定していた位置と違うところにあるのか、今回確認された戦国期の溝が外堀にあたるのか、今後も調査と検証を続けていきます。

 

 

 

 

 

トレンチ2(南から撮影)

令和元年度本證寺発掘調査トレンチ2

トレンチ3

 

境内南西で、寺内へ通じる道路があると推定される場所に調査区を設定しました。調査の結果、東西方向に伸びる外堀と、外堀と平行する戦国期の溝などが確認されました。しかし、寺内へ通じる道は確認できませんでした。 この地点の外堀は幅7.8m、深さ2mでした。最下層から戦国期の内耳鍋や羽付鍋などが出土し、その上層から江戸時代後期以降の瓦や陶磁器などが出土しています。また、戦国期の堀は急角度で掘られていますが、上層の江戸時代の堀は緩やかな傾斜で掘られていることが分かりました。このことから、戦国期の堀が埋まった後の江戸時代後期に再整備されたと考えられています。

 

 

 

 

トレンチ3(北東から撮影)

令和元年度本證寺発掘調査トレンチ3

 

 

トレンチ4

本堂南側の内堀の形状を確認するために調査区を設定しました。平成29年度の調査で内堀の北側の端を確認しており、今回は南側の端を確認しました。

平成29年度と今回の調査の結果、この地点の内堀は幅7m、深さ2.4mあることが分かりました。今回は下層から江戸時代後期の瓦が出土しました。しかしながらトレンチ1同様、戦国期の堀である確証を得ることはできませんでした。今後も内堀の調査を継続し、解明していく予定です。

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