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更新日:2013年6月20日

加美遺跡

遺跡番号

 540129

概要

 小川町に所在し、碧海台地の東の端に位置しています。1988(昭和63)年に道路建設に伴って発掘調査が行われました。

 調査の結果、弥生時代の方形周溝墓、古墳時代後期~平安時代の竪穴住居・掘立柱建物、鎌倉時代~室町時代の屋敷地や火葬墓が見つかりました。

  弥生時代中期の方形周溝墓2基は、いずれも調査区外に延びて全形を確認できないものの、四隅に陸橋を持つ形態のものと推定できます。現在、弥生時代の集落遺跡はほぼ台地東側の沖積地で見つかっており、本調査区周辺に想定される集落とともにそれら遺跡との関連が注目されます。

 古墳時代後期~平安時代の遺構は、竪穴住居15棟のほか、多数の土坑などが見つかっています。全体的に検出数は多くありませんが、7~8世紀代を中心に居住域として利用されていたと考えられます。

 室町時代の遺構は、全面に溝による地割りをほどこした様子がうかがえ、この中には掘立柱建物13棟にくわえ、火葬施設や埋納土坑も見つかっています。本調査区では、14世紀末~15世紀代には集落内に「屋敷地」と「火葬施設群」が近接したものから15世紀末~16世紀では、「火葬施設群」の一部が「屋敷地」に再編成されていく景観を想定することができます。

 安城市では当時、数少ない中世集落遺跡の発見でした。また、中世において二時期にわたる集落の土地利用の変遷から、遺跡の連続性と非連続性の把握に繋がる貴重な事例となりました。

財団法人愛知県埋蔵文化財センター1989『加美遺跡』(愛知県埋蔵文化財センター発掘調査報告書第8集)

 調査区 測量略図 (遺構の変遷)

加美001

所在地

:安城市小川町加美

加美002 

 

 

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