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更新日:2013年6月20日
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確認された南関東系(久ヶ原式)土器片
高坏または鉢の口縁部片 |
壺の口縁部片 |
安城市教育委員会は、亀塚遺跡(東町)発掘調査において出土した遺物の整理過程で、愛知県内では初めてとなる弥生時代後期の南関東地方の土器に類似した土器片3点が出土したことを確認いたしました。これらの土器片は、昭和52年に実施した調査で出土したもので、2点が壺の口縁部、1点が鉢または高坏の口縁部で、形状・調整方法などから南関東に分布する久ヶ原式土器と確認されました。久ヶ原式土器は折り返した口縁部や胴部に縄文を装飾として多用することが特徴の1つです。亀塚遺跡出土遺物では、今まで畿内系・尾張系・遠江系・西濃系の土器の出土が知られておりましたが、これに加えて南関東系の土器片が今回愛知県内でも初めて確認されました。
南関東系の久ヶ原式土器片が確認された亀塚遺跡は、西三河でも屈指の規模を持つ集落遺跡とされる鹿乗川流域遺跡群の一角を占める遺跡で、人面文土器が出土したことでも知られています。鹿乗川流域遺跡群は弥生時代後期には他地域の土器が多量に出土するなど、地域間交流の拠点とされています。南関東地方との人的・物的交流を示す資料として重要な資料となると考えられます。