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更新日:2025年10月30日

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本證寺絵伝群修理状況

本證寺に伝わる絵伝群(聖徳太子絵伝及び善光寺如来絵伝)は昭和42年に修理をしてから今日まで修理を行ってきませんでした。このまま放置すると更なる劣化が見込まれることから、国・愛知県・安城市の補助金を用いて優先度の高いものから修理を行っていきます。

令和4年から令和7年の4年間では第1期として聖徳太子絵伝の6幅と8幅、善光寺如来絵伝の3幅と4幅の修理を行って行います。

第1期(令和4年~令和6年)

令和6年度

第1期の3年目にあたる令和6年度では「旧補絹除去」「本紙の肌裏打」「表具裂の新調・肌裏打」を主に行いました。

旧補絹除去

過去の修理で添付された旧補絹のうち、除去する必要のあるものを完全に除去しました。

本紙の肌裏打

染美濃紙を用いて、本紙の肌裏打を行いました。

表具裂の新調・肌裏打

表具に使用される裂地である表具裂(ひょうぐぎれ)を新調して美濃紙で肌裏打を行い、染色して古色付けしました。

R6修理写真-1

R6修理写真-2

令和5年度

第1期の2年目にあたる令和5年度では「補絹・表打」「旧肌裏紙除去」「旧補除去」を主に行いました。

補絹・表打

表からの補絹を行い、露出した裏彩色を保護しました。また、布糊とヨーレン紙にて表打を行い本紙表面を保護しました。

旧肌裏紙除去

本紙への湿りが極力なくなるようにし、少しづつ旧肌裏紙を除去しました(乾式肌上法)。

旧補絹除去

除去する必要のある旧補絹を計画的に除去します。

修理の様子

R5修理写真

令和4年度

第1期の1年目にあたる令和4年度では「写真撮影」「損傷地図作成」「解体・裏打紙除去」「クリーニング」「絵具剥落止め」を主に行いました。

写真撮影

修理前に現況の写真撮影を行い、必要に応じて顕微鏡写真や赤外線写真の撮影を行いました。採寸及び損傷等の調査を行い現況の記録を行いました。

損傷地図作成

本紙の損傷状況が一覧できる損傷地図を作成しました。

解体・裏打紙除去

表具を解体し、軸木を取り外しました。また、裏面から表に回らない程度の水を少量噴霧し、総裏紙、増裏紙などを除去しました。

クリーニング

柔らかい筆などを用いてドライクリーニングをし、表面の埃やゴミを除去しました。また、本紙の下に給水紙を敷き、画面上から純水を噴霧し、クリーニングを行いました。

絵具剥落止め

膠(にかわ)水溶液を用いて剥落止めを行いました。

R4修理写真

お問い合わせ

生涯学習部文化振興課文化財係

電話番号:0566-77-4477

ファクス番号:0566-77-6600