受け継ぐ想いを
未来へ届ける 望遠郷
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更新日:2025年2月7日
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本證寺に伝わる絵伝群(聖徳太子絵伝及び善光寺如来絵伝)は昭和42年に修理をしてから今日まで修理を行ってきませんでした。このまま放置すると更なる劣化が見込まれることから、国・愛知県・安城市の補助金を用いて優先度の高いものから修理を行っていきます。
令和4年から令和7年の4年間では第1期として聖徳太子絵伝の6幅と8幅、善光寺如来絵伝の3幅と4幅の修理を行って行います。
第1期の1年目にあたる令和4年度では「写真撮影」「損傷地図作成」「解体・裏打紙除去」「クリーニング」「絵具剥落止め」を主に行いました。
修理前に現況の写真撮影を行い、必要に応じて顕微鏡写真や赤外線写真の撮影を行いました。採寸及び損傷等の調査を行い現況の記録を行いました。
本紙の損傷状況が一覧できる損傷地図を作成しました。
表具を解体し、軸木を取り外しました。また、裏面から表に回らない程度の水を少量噴霧し、総裏紙、増裏紙などを除去しました。
柔らかい筆などを用いてドライクリーニングをし、表面の埃やゴミを除去しました。また、本紙の下に給水紙を敷き、画面上から純水を噴霧し、クリーニングを行いました。
膠(にかわ)水溶液を用いて剥落止めを行いました。
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第1期の2年目にあたる令和5年度では「補絹・表打」「旧肌裏紙除去」「旧補除去」を主に行いました。
表からの補絹を行い、露出した裏彩色を保護しました。また、布糊とヨーレン紙にて表打を行い本紙表面を保護しました。
本紙への湿りが極力なくなるようにし、少しづつ旧肌裏紙を除去しました(乾式肌上法)。
除去する必要のある旧補絹を計画的に除去します。
修理の様子 |