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更新日:2022年9月30日

市長のときどきブログ下学上達

最近の出来事の感想やちょっとしたコメントを書いています。
これまでの「月曜のひとこと」と「今月のメッセージ」から変更します。

2022年9月30日

目覚めよウサギ

天高く馬肥ゆる秋となり、夏バテが回復し食欲が増してきたように感じられますが、この他にも秋はスポーツの秋、読書の秋、学問の秋などと言われ、真夏の暑さから解放され、秋の夜長には落ち着いて色々な取り組みができるようになってきました。

さて、生涯にわたって学び続ける意義を表現する、いわゆる「生涯学習」ということばは、すでに広く認知されているように思われますが、一方、生涯にわたる学びの重要性を真に理解されている方々が、社会全体でどれほどおいでになるのかと、正直、内心心配してまいりました。

 

今から10年ほど前、更生病院跡地の活用を議論していた頃、新たな図書施設(現在のアンフォーレ)の建設構想を打ち上げた時、「あんな一等地になんで図書館なんか建てるのか」、「新しい図書館建設は税金の無駄使いだ」という類の否定的な声を多く耳にし、とても複雑な気持ちにさせられました。

更生病院跡地(当時の中心市街地交流広場)2

【更生病院跡地(当時の中心市街地交流広場)】

当時は、日本国内で電子書籍がはやり始めていた時期であり、デジタル情報が主流になれば紙の本などは要らないという極論も出てきており、図書館建設への疑義を検証するため、すでに電子書籍が普及しつつあったアメリカや、国立デジタル図書館を持つ韓国へ視察に出かけました。

アメリカ、韓国両国の図書施設で感じたのは、図書館は単に書籍の貸し借りをする場ではなく、市民や国民の学びや生活を支える重要な都市インフラに位置づけられているということでした。そして、貧富の差による学びの格差をなくし、国民全体の知の底上げを図ることで、社会の安定や国家の発展につなげてゆこうとする政策的な意図も感じられました。

具体的にはアメリカの場合、社会での貧富の差は大きく、貧しい家庭の子は学校から帰っても家に本がなく、またパソコン等のIT機器もありません。そこで放課後も本を読んだり、パソコンを使ったりして、自らの学びを続ける場がまちの図書館でした。また就職に関しては日本のように企業訪問はなく、インターネットで履歴書を送るのが一般的とされており、その履歴書の書き方の指導をしたり、また新たな起業の手伝いをするなど、広く市民生活の支援が行われていました。

現在のアメリカは、国家の二極化が社会問題とされていますが、図書施設がそれを防ぐための安全弁となっていたと感じます。

アメリカ・ブルックリン公共図書館ティーンズコーナー(上)と児童コーナー(下)

【アメリカのブルックリン公共図書館ティーンズコーナー(上)と児童コーナー(下)】

一方、韓国の場合は、今から25年前の1997年、アジア通貨危機により国家財政が破綻し、経済が大混乱した歴史があります。それによって財閥が解体され、経済の立て直しが進められましたが、大量の失業者が生まれてしまい、国民の多くが生活苦に陥りました。

そこで国と経済を立て直すためには、まず人材育成に力を注ぐしかないということで、子どもや若者及び社会人の学びの環境充実が国の最優先政策として進められ、図書館の充実が図られてきました。

具体的には、人口約20万人の安城市と同規模の地方都市に、アンフォーレ同様の図書館が複数あり、本市で例えれば安城駅、三河安城駅、新安城駅、そして桜井駅、それぞれの地区にアンフォーレが1館ずつあるというほど、学びの環境は充実されていました。

両国の図書館事情を調査して帰国し、安城市に戻れば、再び「新しい図書館建設は税金の無駄使いだ」という声が聞かれ、彼の国との「学び」に対する市民意識の落差に落胆させられた記憶は、今も消えていません。

デジタル情報を中心とした韓国のDibrary(Digital Libraryからなる造語)

【デジタル情報を中心とした韓国のDibrary(Digital Libraryからなる造語)】

ところで最近になって、「国民一人当たりのGDPで日本は韓国に抜かれた」という報道が見聞きされるようになりました。最初は驚いたものの、韓国での国を挙げての国民の新たな知識・技能の習得奨励と、そのための学びの環境整備への力の入れ具合を思い起こせば、大変残念ではありますが「やはり…」と納得せざるを得ませんでした。

ひところは日本でも「米百俵」ということばが喧伝され、学びの充実に力が入れられた時期もあったとふり返りますが、一過性の流行語で終わってしまったのか、最近の日本では財政難により図書館を閉館するという市町が散見されるようになり、わが国の先行きを心配いたします。地域や日本社会の将来を展望した時、本当に何を最優先とすべきなのかという合意形成が急がれなければならない時代と感じます。

例えが適切かどうか分かりませんが、私は日本と諸外国との発展について、ついつい「ウサギと亀」の物語を連想してしまいます。かつての日本は足の速いウサギだったのでしょうが、自らの能力を過信してうとうと昼寝しているうちに、いつの間にか亀に追い抜かれつつあるというイメージです。今の私たちに必要なのは、まずは一刻も早くそうした惰眠から覚醒することと思われます。そして、改めて学びの重要性というものを再認識し合い、皆さんとともに地域の知の底上げを図ってゆきたいと考えます。

 

最近の日本では職業能力の再開発、再教育を意味する「リスキリング」という言葉が聞かれるようになりました。アナログ的なハードの生産で高度経済成長を成し遂げたわが国は、長らくその成功に慢心し、その後の急速なデジタル化によるソフト開発で大きく後れを取ってしまいました。失われた30年を挽回するには、並々ならぬ学びと頭の切り替えが必要となります。

学校教育を受ける若者たちが「学習」を必要とするのではなく、社会人をはじめすべての国民が、生涯にわたる学びを重んじる意識改革を進めて行かねばなりません。安城市としては、引き続き生涯学習の受け皿となる環境整備に力を入れてまいります。

図書情報館やホール等を備えた中心市街地拠点施設「アンフォーレ」

【図書情報館やホール等を備えた中心市街地拠点施設「アンフォーレ」】

2022年9月12日

令和3年度 安城市決算(一般会計)のご報告

令和3年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が、デルタ株やオミクロン株への置き換わりにより長引きながらも、段階的な行動制限の緩和などにより少しずつ持ち直しの動きを見せてきました。

国内においては、依然として収束の見通しが立たず回復への足取りが鈍い中、中国における経済活動の抑制や国際秩序を揺るがすロシアによるウクライナ侵攻により、資源価格や原材料価格の上昇が長期化するなど、供給面での制約を受けた物価高騰への対応に迫られ続けています。

本市においては国・県の動きに呼応し、引き続き市民生活と地域経済の安定化に全力を挙げて取り組むこととなったものの、令和3年度も良好な決算を結ぶことができました。市民の皆さんや関係団体の皆さんのご支援・ご協力に心から感謝申し上げます。

1、本市財政の概要

令和3年度の決算では歳入総額は795億1千万円余、歳出総額は740億8千万円余で、歳入歳出ともに過去最大であった令和2年度に次ぐ2番目の規模となりました。歳入と歳出の差引額から翌年度へ繰越すべき財源を除いた実質収支は、45億円余の黒字となりました。

各種指数による財政状況を見てみますと、経常収支比率は81.9%、単年度の財政力指数は1.19で、依然として良好な財政状況を堅持できました。

歳入決算額市税決算額グラフ

2、令和3年度の主要事業

①健康「生涯にわたり心身ともに健康にすごせるまち」

  • 新型コロナウイルスワクチン接種

国が主導するワクチン接種を実施するため、医師会などと連携し、各医療機関における個別接種の他、公民館3か所に集団接種会場を設置するなど、接種の推進に全力を挙げてまいりました。

  • 健康づくりきっかけ事業

健康づくりきっかけ教室をはじめ、安城更生病院や八千代病院のご協力による「あんじょう健康大学」を開催するなど、市民が健康意識を高め自主的に健康づくりに取り組む機会の創出に努めました。

  • 東京五輪関連事業

コロナ禍の影響により1年延期されていた東京オリンピック・パラリンピックが無事開催され、4月には本市に届いた聖火を10人のランナーが東祥アリーナ安城からアンフォーレ願いごと広場へとつなぎました。また、ホストタウンとして受け入れを行ったカナダ女子ソフトボール代表チームとは、小中学生との事前オンライン交流や地元農産物を使った食事の提供などを通じて、交流を図ることができました。

カナダ女子ソフトボール代表チーム

【カナダ女子ソフトボール代表チーム】

  • 見るスポーツの実施

全日本大学女子ソフトボール選手権大会は開催が11月に延期となりましたが、万全のコロナ対策を行いながら、頂点を争う夢の舞台を提供するなど、スポーツへの関心や健康づくりへの意識を高める取組を進めました。

②環境「くらしの質を高める持続可能なまち」

  • 地球温暖化防止対策

石油由来原料の使用量削減と二酸化炭素排出量の削減に向けた取組として、植物由来のバイオマスポリエチレン25%配合の指定ごみ袋を継続して採用した他、SDGsの実現に向け、飲料メーカーと「ボトル to ボトルリサイクル事業」の協定を締結し、ペットボトルの地産地消や資源循環を図る取組を開始しました。

  • 生活の安全安心

防犯意識の向上と防犯体制の強化を図るため、LED防犯灯1,982基を新設するとともに、人の往来が多い駅や通学路周辺の危険箇所に防犯カメラ100台を設置しました。

また令和3年10月から、自転車乗車時のヘルメット着用の努力義務化により、18歳以下の子ども及び65歳以上の高齢者に対し、ヘルメット購入費の一部助成を行い着用促進に努めました。

ヘルメット着用して走行する様子

【ヘルメットを着用して走行する様子】

③経済「地域の魅力、潤いと活力あふれるまち」

  • まちの活性化

引き続き三河安城駅周辺パワーアップ再生プロジェクト事業を行い、公民連携による様々な社会実験を継続実施した他、JR安城駅周辺エリアでは南明治土地区画整理事業及び土地有効活用事業を行い、令和4年3月には中心市街地でデンシティが無事竣工を迎えました。

デンシティ

【南明治地区に建設されたDENCITY】

  • コロナ禍での経済対策

コロナ対策として、国が創設した給付金制度に迅速に対応すべく、各種特別給付金の円滑な給付に努めました。また市独自の取組として「安城プレミアム商品券」を発行し、厳しい環境下にある飲食店や小売店等の下支えを行うとともに、18歳以下の子を持つ家庭に対し、子ども一人あたり1万円のプレミアム商品券を無償配布し、きめ細かな生活支援を図りつつ一層の消費喚起と地域経済の底上げを行いました。

④きずな「人々が優しくつながり、支え合う安全安心なまち」

  • 多世代住宅支援

多世代住宅支援事業を引き続き実施し、子育てファミリーや高齢者世代が安心して生き生きと暮らし社会で活躍できるよう、住宅建築等の費用に対する助成を行いました。

  • 防災・減災

東端・藤野・小川地区において、水害や地震などの大規模災害時における地域課題の整理や具体的な取組を定めた地区防災計画の策定支援を行い、地域の防災力の強化と共助意識の醸成に努めました。

  • 福祉の環境整備

開館30年が経過し、老朽化が進む総合福祉センターの大規模改修工事に着手した他、在宅の要支援者等に対するタクシー利用助成制度を新たに創設するなど、高齢者の多様なニーズに応え、健康で生きがいを持った日常生活を送ることができるよう、高齢者外出支援サービスの拡充を行いました。

高齢者のための体操教室

【高齢者のための体操教室】

⑤こども「子どもたちを社会で豊かに育むまち」

  • 保育環境の充実

増加する保育需要に対応するため、東山中学校区内の民間保育園「スマイリーこども園さとまち」の建設に対して助成を行うとともに、新たに設立した「安城市こども未来事業団」を含め、民間の保育所21園、認定こども園9園に運営支援を行いました。また保育サービスの面では、保護者及び保育士の負担軽減を図るため、低年齢児を対象に使用済み紙おむつの回収処分を開始しました。

  • 児童クラブ事業

錦町小学校の増築に併せ、新たに児童クラブ専用室を整備した他、丈山小学校及び志貴小学校の特別教室の改修を行うなど、受け入れ体制の拡充を図りました。

  • 小中学校教育

誰ひとり取り残すことのない学びを実現するため、全小中学校の児童生徒にタブレット端末を貸与し教育環境のICT化を進めるとともに、家庭に通信環境のない要保護・準要保護世帯に対しモバイルルーターの貸与を行い、タブレット端末を活用した家庭学習への支援を行いました。またコロナ対策として、日々の校内消毒作業などに従事するスクールサポートスタッフを全校配置し教員の負担軽減を図るとともに、換気対策に繋がる屋内運動場の建具改修を当初の予定を早めて実施しました。

図書を消毒するスクールサポートスタッフ

【図書を消毒するスクールサポートスタッフ】

  • 高等教育への支援

大学生等への緊急奨学支援金を継続実施し、コロナ禍に起因する家庭環境の激変など、経済的理由により高等教育の修学機会が失われることのないよう支援を行いました。

 

令和3年度末以降、全国的に減少傾向にあったコロナ新規陽性者数は、変異株「BA.5」系統への置き換わりにより新たな局面を迎えています。また本年7月からは「第7波」が猛威を振るい、8月上旬には愛知県が「BA.5対策強化宣言」を発令するなど、収束への道筋はいまだ見通せない状況です。さらに、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した世界情勢の不安定化が拍車をかけ、資源価格や原材料価格の急激な上昇は長期化の様相を見せています。

こうした厳しい状況の中、社会情勢の変化や国の動向を注視し、必要な施策を迅速に実施できるよう全力で市政運営にあたってまいります。引き続きの市政に対する変わらぬご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。

ウクライナから避難している皆さんと共に定植を行ったひまわり

【ウクライナ(ひまわりが国花)から避難している皆さんと共に定植を行ったひまわり】

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