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更新日:2021年3月1日

市長のときどきブログ下学上達

最近の出来事の感想やちょっとしたコメントを書いています。
これまでの「月曜のひとこと」と「今月のメッセージ」から変更します。

2021年3月1日

現代病の処方箋 「スマホ脳 (新潮新書)」を読んで

コロナ禍による緊急事態宣言などで巣ごもり生活が求められ、がぜん注目度が上がったのがデジタルネットワークとその関連機器。在宅勤務、リモート学習などが可能となり、長時間の通勤・通学に苦しめられることがなくなった方も多いのではないかと思われます。こうした利便性が注目され国の号令により、いよいよ今春からは小中学校でタブレット端末を用いた授業も始められることとなっています。

時代の趨勢(すうせい)でありすでに必需品と化しつつあるものの、コロナによる駆け込み配布の感があり、デジタル機器が及ぼす子どもたちへの影響について十分な検証がなされたように思われません。「子どもたちの大きな環境変化に注意する必要があるのではないか」、そんな思いから「スマホ脳(新潮新書)」を読んでみました。著者のアンデシュ・ハンセン氏はスウェーデンの精神科医であり、この本は彼の日々の診療経験や医学会での報告などを基に書かれています。

市長室でのリモート会議の様子

【市長室でのリモート会議の様子】

1 人類史上の環境激変

人類の祖先が東アフリカに現れたのが20万年前、エジソンが電気器具を発明したのが約150年前、そして私たちがICT環境に囲まれ始めたのが約20年前。よって私たちの「脳」は、圧倒的に長かった狩猟採取の時代に合わせて最適化されており、この1万年間変化していないというのが著者の基本認識です。つまり私たちの脳は、かつてのアナログ生活に調整されたままの状態にあるということです。

私たちの人類史上、人の命に関わる重大な出来事は、飢餓や殺人、干ばつや感染症でした。私たちの脳はそれらを回避するために「睡眠」「運動」「他者との関わり」が重要と認識するようにされています。デジタル情報とその環境は、こうした私たちの脳の基本的な機能に混乱を生じさせつつあり、今日、精神科を訪れる患者急増の背景になってきていると指摘しています。

2 ストレスは神の恵み?

命の危機にさらされることの多かった狩猟採取の時代には、ネガティブな感情により命を守るという脳の機能が重要な役割を果たしてきました。「近くに猛獣がいるのではないか」、「明日は食料が得られないのではないか」、脳内ホルモンにより不安を感じることで、常に危機を回避してきました。

このように、私たちは強いストレスにさらされると不安が生じ、瞬時に「闘争か逃走か」の判断に迫られますが、こうした不安が最適な行動計画を立てることにつながり、集中力を高めてくれます。こうして目前の危機を乗り切れればよいでしょうが、それができそうにない時、人は鬱症状に陥ることがあります。鬱は自らが乗り越えられない危機から距離を置こうとする精神的なメカニズムなのだそうです。

つまり、ストレス症状は心身を守るための「神の恵み」ともいうべき役割を持ち、不安や鬱により私たちの命は守られてきたとも言えるのだそうです。私たちが生き延びるためには、ポジティブな情報よりもネガティブな情報の方が重要だったのです。

3 癖になるスマホ

狩猟採取の時代、身の回りの獲物や猛獣の有無、天候の急変など、生きてゆくためには常に新たな情報収集が不可欠でした。そのため脳内ホルモンは、常に新しい情報を探そうとする衝動を生み出します。そして、この行動原理によって、現代の私たちはデジタル機器の新たな情報を次々に検索したくなる習性が身に付いてしまいました。

「新しい情報により何かが起きるかもしれない」という期待は精神の興奮をもたらし、もしもカジノに身を置けばスロットマシーンから抜け出せなくなってしまいます。その習性をうまく利用しているのがゲーム会社やスマホメーカー、ソーシャルメディアやSNSだとしています。こうした企業は脳や行動の研究者を擁し、利用者の脳が依存症を起こしやすくなるような魅力的な仕掛けを創り出しているのだそうです。

そんなソフト開発の裏事情を熟知するIT企業の経営者は、自らの子どもがIT端末を持つことを厳しく制限しているという事実を、私たちもよく理解しておく必要があります。

必需品と化しつつあるスマホ

【必需品と化しつつあるスマホ】

4 デジタルの負の側面

集中力の低下

キーボードを軽やかに打ち相手の話を記録できる人を、すごいと思います。しかし意外にも、鮮やかなブラインドタッチよりも手書きの方が、思考力が働き情報が記憶に残りやすいということです。特にデジタルによる記録の場合、記憶の重点は記録がどこに保存されたかに集中し、情報そのものを覚えていない傾向があります。私たちは一度に一つのことにしか集中できないようです。

記憶力の低下

夜間の睡眠時、私たちの脳からはタンパク質の老廃物が除去されており、1年間に脳と同じ量のゴミが捨てられているそうです。また熟睡時には、短期記憶が長期記憶に置き換えられているとされます。デジタル機器はブルーライトを発しますが、これにより脳が晴れ渡った空との錯覚を起こし、身体が覚醒してしまうことで十分な睡眠がとれなくなります。睡眠不足によって、記憶力の低下が引き起こされているのだそうです。

気を散らすSNS

外敵から身を守るために他人の行動を知る、また仲間づくりのために自らのことを知らせたくなるのは、生存を求める本能に根差しているようです。私たちがSNSに夢中になりがちなのはそのためで、スマホの着信合図の音や点滅はとても気になるものです。SNSはそうした人間の習性を利用し、アイコン、着信音、さらに画面に添付されるニュースの選択など、広い拡散を狙った計算づくの設計がなされているようです。GAFAと呼ばれるネット企業は、そんな仕掛けによりアクセスカウント数を稼ぐことで莫大な広告料収入を上げています。

5 デジタル依存症への対抗策

運動をする

身体を動かすことは知的な能力を向上させ、集中力や記憶力が高まりストレスにも耐えられるようになるそうです。人間には狩猟採取の時代からの外敵から身を守ろうとする防衛本能があります。身体を鍛えている人は、命の危機から逃れることに対する自信が備わり、強いストレスを受けにくくなります。また、運動によって知的な処理速度が速まり、頭の回転もよくなるそうです。

デジタルを賢く使う

現代の私たちは、デジタル機器の使用に時間を費やすことで、読書や運動の時間が少なくなっています。情報過多に陥る一方、自動化やAIなどが一般化することで、私たち人間に残された仕事は、おそらく集中力を要するものになると著者は予測しています。そのため、無駄な情報を排するためにはスマホの使用を制限し、睡眠や運動を優先しつつ、社会的な人間関係を大切にすること。つまり、アナログ時代の生活習慣を回復させることが大切と結ばれています。

 

言語認識ソフトが視覚障害や高齢者の生活を支援し、また聾唖(ろうあ)の方々はスマホをコミュニケーションに活用されるなど、多くの皆さんがデジタル機器による恩恵を受けているという事実もあります。デジタルは使い方により、社会生活の薬にも毒にもなるという両側面を持っていることを理解し、上手に活用してゆくことを考えねばなりません。デジタル機器にふり回されるのではなく、私たちはデジタルを使ってどんな豊かな生活を確立するのか。そのことを考え続けてゆく必要があります。

テレビ電話通訳システムのイメージ図

【テレビ電話通訳システムのイメージ図】

2021年2月15日

2月の回想

市長の私にとって2月は色々な感慨に浸る季節です。安城市長選挙は4年に1度、統一地方選挙の年の1月末から2月初旬にかけて行われてきました。そして、安城市長の任期は2月15日から始まります。厳しい寒風に震える時「この寒い中で、よくあんな選挙をしたものだ」と、我ながら呆れたり感心したりしてしまいます。市長在職19年目を迎え、振り返ればいろいろな出来事がありましたが、悪しき事態が「2度あることは3度ある」にならぬことを願いつつ、あれこれ回想しました。

2度目のパンデミック

「東京五輪は開催できないんじゃないか…」。昨年のこの時期、私がわずかな幹部職員が出席する会議でこんな発言をしたところ、周りから「国家が威信をかけて開催するビッグプロジェクトが開催できない訳ないですよ」とたしなめられました。突拍子もない非現実的なひと言に受け止められたのでしょう。しかし、その後の事態は残念ながら私のことば通りの方向に進み、結局東京五輪の開催は1年延期となってしまいました。

私に超能力があった訳ではありません。市長として18年を過ごした歳月の中で、過去の苦い記憶が脳裏に浮かび、先の予言めいたことばにつながったのです。

平成21年(2009年)、私は夏休みを利用した中学生らの姉妹都市交換学生派遣を中止にするという残念な決断を迫られました。その理由も、今回と同様に「未知の新型インフルエンザの流行」というニュースが発端でした。アメリカやメキシコを中心に広がりつつあったインフルエンザでしたが、私自身は大規模な「風邪の流行」くらいにしか受け止めておらず、当初は大きな関心を寄せていませんでした。

「春を迎えれば落ち着くだろう」と高をくくっていたのですが、その後この風邪はまたたく間に世界中に広がり、さらに日本でも発症が見られるようになるなど、パンデミック(世界的大流行)となりました。そんな事態によって、長年続いてきていた中学生らの姉妹都市交換学生派遣は中止することとしました。

そうした忘れがたい経験は脳裏に焼き付けられます。昨年の1月下旬、人口約1,100万人という大都市武漢が都市封鎖をするという驚きのニュースが流れた瞬間、中国政府による前代未聞の対応からただならぬ不吉な気配を感じました。その気配をことばにして発したのが、先の「東京五輪は開催できないんじゃないか」というひと言だったのです。市長在職18年、パンデミックに翻弄されるのは2度目ということになります。

3度目の経済危機

注意深く観察していれば自然災害でも発生の予兆を感じることがあるように、グローバルな経済活動の急変にも予兆を感じたことがあります。平成20年(2008年)初秋、次年度の安城市当初予算案を編成するにあたり、その編成方針案が財政担当から私に示されました。そこには国の月例経済報告に倣って「景気の足踏み状態」という内容が書かれていましたが、それでも私には楽観的過ぎる見通しと思われました。

その時期、すでに原油や穀物の国際価格が極端に高騰していたため、国民はこぞって価格の安いガソリンスタンドに殺到し、また畜産農家からは家畜の餌代に苦しむ声が届けられており、過去に例のないただならぬ不穏な気配を感じていました。

そこで財政担当に、「原材料の価格高騰など国際経済の変調が加味されていない文面なので、表現をさらに慎重にすべきではないか」と告げたのですが、それまでのこの地域は「元気な愛知」と言われて続けてきており、その余韻も残っていたためか、私の提案はなかなか受け入れられなかった苦い記憶があります。

しかし、そんな不毛なやり取りから1カ月しないうちに、あの「リーマンショック」が発生しました。当初はそれがどんな影響を日本に及ぼすかは分かりませんでしたが、やがてこの地域の製造業にも大きな余波が及び、地域経済が大きく低迷してしまったのはまだ記憶に新しいところです。

このリーマンショック、東日本大震災直後の混乱、そして新型コロナ感染拡大と、市長在職18年中に直面した経済危機はこれで3度目となります。

先憂後楽

日本での経済危機は過去何度か起きてきたものの、世界的なパンデミックが日本国内にまで及び猛威をふるったのは、古くは約100年前の大正中期の「スペイン風邪」、現代では昭和30年代初期の「アジアインフルエンザ」ではなかったかと思われます。このうちパンデミックと経済危機が同時に発生したのは、おそらく大正時代で、スペイン風邪と第1次大戦後の経済危機はほぼ同時期の出来事だったようです。

よって、現在私たちが直面している新型コロナウイルス感染症と、その余波による経済危機のダブルパンチは大正期以来100年ぶりの危機と言っても過言ではないでしょう。私たちはこの歴史的な試練を、現代科学の力を借りて乗り越えてゆかねばなりません。期待していた国産ワクチンは最初の接種には間に合いそうもありませんが、治療薬と合わせて一日も早く開発され国民の命が救われることを願っています。

市としてまず取り組むべきことは、間もなく始まる市民を対象としたワクチン接種が円滑に進むよう、医療機関との連携を図ってゆくことです。そして、1日も早くかつてのような健全な市民生活と円滑な経済活動を取り戻さねばなりません。

大正時代末期、こうした混乱を乗り越えようとしていた正にその時、首都直下型の関東大震災が発生し首都機能が失われる大混乱が起きています。悪いことばかりを重ね合わせたくはありませんが、すでに巨額の財政赤字を背負う日本国家をどこまで頼りにできるのかという不安を持つ国民は多いと思います。自分たちのまち、自分たちの暮らしは、自分たちで守ってゆこうという気概を持ち、まずは新型コロナウイルス感染症の収束に向けて力を合わせてゆきましょう。

2021年2月9日

広報あんじょう令和3年2月15日臨時号(新型コロナウイルス感染症に関する市からのお知らせ)

市長からのメッセージ

広報あんじょう臨時号をお届けします。市長からのメッセージは、以下のとおりです。

市長からのメッセージ

新型コロナウイルス感染拡大の第3波により、1月13日に再び愛知県に緊急事態宣言が発出されるなど厳しい状況が続く中、多くの皆さんに感染拡大防止へのご協力をいただいておりますことに感謝申し上げます。大変ありがとうございます。
マスコミ等により感染の概況については報道されていますが、本市内の詳細情報までは伝えられていません。そこで、地域の新型コロナウイルス感染症の実状を正しく理解いただき、感染防止にお役立ていただくべく、本市が把握している情報をまとめ、広報あんじょう臨時号としてお届けすることとしました。
緊急事態宣言が延長され、未だコロナの収束は見通せない状況ではありますが、現在、国によるワクチン接種を円滑に進められるよう、市においてワクチン接種対策グループを結成し、医師会等と綿密な連携を図りながら準備を進めております。市民の皆さんお一人お一人の意志と行動によって、コロナ禍を乗り越えることは可能です。
「健やかが幸せ」な時代です。引き続きの感染防止にご協力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

広報あんじょう令和3年2月15日臨時号 全ページ(PDF:1,102KB)

令和3年2月15日臨時号1

【広報あんじょう令和3年2月15日臨時号表紙】

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