セアカゴケグモ
セアカゴケグモは、オーストラリア原産の小型のクモで、日本に輸入される資材等に付着して国内に侵入したと考えられています。メスは毒を持っており、咬まれると痛むほか、重症化する場合があります。そのため、他のゴケグモ類と共に外来生物法による「特定外来生物」に指定されており、「飼育」「保管」「運搬」「販売」「野外に放つこと」等が禁止されています。
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環境省提供
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特徴
- メスとオスで姿が異なります。
- メスの成体は体長1センチ程度、全体的に黒くつやがあります。メスの腹部の背面には、直線状あるいはひし形をふたつならべたような赤い線があります。メスの未成体個体の腹部の背面には、赤い線とその周りに白い斑紋があります。
- オスはメスに比べ小さく5ミリ程度、全体的に褐色です。オスの胸腹部の背中側は灰色から褐色の地に、白い線が中央と縁側に入ります。
- 腹部の腹面には、メスもオスも砂時計のような赤い模様があります。
- 日の良くあたる場所の、地面近くの隙間やくぼみに巣を張ります(営巣)。また、道路側溝の中、プランターやエアコンの室外機など人工物の物陰、駐車場の周辺など、身近なところに営巣することが多いです。
- 繁殖時期は真夏で、この時期は活動が活発となるので注意が必要です。卵嚢(卵を入れる袋)は球形で乳白色、直径は1.5センチ程度で、一回に3~5個の卵嚢を作ります。
気をつけること
素手でさわらない
- 攻撃性はありませんが、触ると咬まれることがあります。メスは毒を持っていますので、見つけても、素手で触らないようにしましょう。
- 1匹見つかれば、周囲にも潜んでいる可能性があります。庭に置いた靴の中に潜んでいて、その靴を履こうとして咬まれたという例もあります。園芸用具などに付着していないか確認するとともに、セアカゴケグモがいる可能性のある場所で屋外作業をするときは、軍手を着用する等、咬まれないような対策をとりましょう。
駆除について
- 市販されている殺虫剤(ピレスロイド系)の噴霧が効果的です。また、熱湯をかける、足で踏みつぶす等、物理的な方法でも構いません。
- 卵嚢は踏みつぶすか巣ごと火器で燃やします。
- 駆除の際も、素手で触らないように注意してください。
もし咬まれたら
- 日本では主に6~10月にセアカゴケグモの咬傷例が報告されており、ほとんどが軽症ですが、重症化することもあります。
- 咬まれたときは、患部を水や石けん水で洗い流す等した上で、医療機関にご相談ください。重症化した場合は抗毒素血清による治療が必要です。
- 医療機関を受診される際は、クモの種類がわかるように、可能であれば咬んだクモを殺した物を持参してください。
ゴケグモを拡散しないために
- 国内では、貨物やコンテナ、建築資材、自動車等に営巣したものが運ばれた結果、生息域が広範囲に拡大したと考えられています。車での移動や貨物の運送の時など、ゴケグモが車や荷物に付着した状態で移動しないよう注意してください。
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