受け継ぐ想いを
未来へ届ける 望遠郷
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更新日:2023年3月31日
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平成28年度に応募総数2,423作品の中から各賞を決定しました。
有識者による1次審査にて20作品に絞り、最終審査の審査会にて各賞を決定しました。
受賞作品は啓発活動等に活用させていただきます。
「あぶないよ スマホ見ないで 前見てね」
内藤 朱里(ないとう あかり)さん
愛知県安城市(安城市立安城中部小学校)
最優秀賞は「子ども部門」から選ばれた。
歩きスマホの危険性はかねてより指摘されながら、その事故は後を絶たない。
「前見てね」は、素朴だが最も重要な願いだ。子供達の率直な警告を真摯に受け止めたいものである。
(審査員:名古屋番傘川柳会 重徳 光州)
「さわやかマナー」推進の一環として、条例に定める6項目に関する川柳を募集したところ、一千余人から、約二千五百の投句があった。市民の皆さんの「さわやかマナー」に対する関心の高さと意識の深さの表れの一つであって、ご同慶の至りである。
皆さんの句を拝見すると、現実に対する厳しい目を抱きながらも、それを咎めるに当たって、優しい言葉で暖かく表現しているのが特徴的だ。川柳は日本古来のリズムに乗せた日本人の心の詩だからである。
審査結果と最優秀賞のコメントは上記のとおりだが、最優秀句の他にも、「ポイすてはダメよねパパはしないよネ」など、子供や中高生の率直で思いやりのある句が見受けられた。昨今、いわゆるジュニア川柳の普及が著しい。子供達の素直で優しい心の表現の場として川柳は最もふさわしい文芸の一つなのだ。安城市においても、この機会に子供たちの間で川柳の普及が図られることを期待したい。
大人部門では、「スマホより握ってあげてもみじの手」など、親子のつながりや思いやりを垣間見ることのできる句が多かった。これらの句は親子や家族でマナーについて話し合う機会を提供できるのかも知れない。「さわやかマナー」は身近なところから始めたいものだ。
また、「ポイ捨ての彼で一挙に覚める恋」など、多少オーバーだが、川柳らしさがあって面白い句があった。実際、人の気持ちや周りの迷惑を考えない男は恋に破れても仕方ない時代がきっと来るだろう。
「灰皿にされた道路が泣いている」や「愛犬もきっと見ている主人の背」は、道路や犬を擬人化したところが成功している。「道路がかわいそう」とか、「犬に叱られるよ」とか、日常会話にも使えそうなフレーズだ。
選外だが、興味をひかれたのは「街きれい人もきれいね安城市」だった。この街をきれいにするには、まず人の心がきれいでなければならない。いつの日か、安城市が「マナーにおいて」素晴らしい街になったとき、さすが人の心の美しい街だと共感できることを祈念したい。
名古屋番傘川柳会
昭和6年1月(1931年)設立 代表者 奈倉楽甫
全日本川柳協会会員
柳誌 月刊「川柳 めいばん」発行
名古屋市内で毎月、「定例句会」(第1日曜日)及び「めいばん川柳教室」(第3日曜日)を開催
第31 回国民文化祭・あいち2016 「川柳の祭典」の実行委員会の一員となる他、同人・重徳光州が審査員を務めるなど、
多くの人に川柳の魅力を知ってもらえるよう活動しています。