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更新日:2016年3月8日

2015年12月

12月28日(月曜日)

先週、国の平成28年度予算案が公表されました。このうち地方税財政に関する内容を確認し合うため、東京で開催された全国市長会の政策推進委員会に出席してまいりました。国の財政難に加え、全国の各種団体から多種多様な要望が与党に寄せられたため、地方自治体に配分される予算が削られることのないように、秋以降、私は財政委員長として永田町・霞が関でさまざまな要請活動を行ってまいりました。その結果、一部不本意な措置もあったものの、おおむね私ども全国市長会の要望が聞き入れられた予算案となったため、委員会終了後、全国市長会の森会長(長岡市長)らとともにお願いした関係各位へ、お礼のごあいさつに伺いました。

この日は、高市早苗・総務大臣、公明党代表の山口那津男議員など、普段めったにお目にかかれない首脳がわざわざお待ち下さり、貴重なお話をお聞きすることができました。政府の予算案づくりでは全国の各種団体要望を背景に、各省庁の大臣や官僚らによる激しい交渉や駆け引きが繰り広げられたようで、お会い下さった方々は始終にこやかに対応してくださいましたが、どことなくお疲れのようにも見え、予算折衝のご苦労を垣間見たような気がしました。

私には国政の舞台裏まではよく分かりませんが、日本の場合、国は議院内閣制のため内閣での合議が重んじられ、大臣間の合意形成に至るまでの予算編成にかけるエネルギーは想像を絶するように思われます。予算交渉がまとまらない場合は内閣総理大臣が最終調整に当たられるのでしょうが、国の財政に余裕がない昨今、全ての関係者が納得をするような落としどころを探るのは至難のひと言に尽きるでしょう。

高市総務大臣・森全国市長会会長と

【高市総務大臣・森全国市長会会長と】

山口公明党代表・森全国市長会会長と

【山口公明党代表・森全国市長会会長と】

そんな国の予算編成と比較をすれば、地方自治体は首長をトップとする大統領制ですので、予算編成は首長の意向を軸に比較的穏やかに進められます。もちろん限られた財源でどこまでの成果を望むのか、また新たな政策として早急に進める事業、後年度に回す事業など取捨選択に一苦労しますが、その先にある多くの市民の皆さんの喜ばれる顔を思い浮かべれば、そうした苦労も「生みの苦しみ」と化します。また本市の財政が健全性を保ち、いくらかの余裕があることのありがたさを、こうした予算編成で実感させられます。

いよいよ年明けから、市長の私による総括的な予算査定が始まります。4期目の任期を迎えたベテラン市長としての経験を活かし、長期展望に立ち健全財政を持続させられる新年度予算としたいと考えています。安城市の平成28年度当初予算案を楽しみにお待ちいただきたいと思います。

平成27年最後の「月曜日のひとこと」となりました。皆さん、よいお年をお迎えください。1年間の市政に対するご理解ご協力、誠にありがとうございました。

12月21日(月曜日)

年末恒例となりました「今年の漢字」が、14日(月曜日)に発表され、今年の世相を表す漢字は「安」に決まりました。「安」は私たちのまち安城市の「安」であり、そのニュースを目にした瞬間、私はとっさに喜んでしまいました。しかし、「安」が選ばれた背景を知ると、やや複雑な心境になりました。

今年は国会で「安保関連法案」が審議されており、採決に際して国民の関心が大変高まりました。また世界中でテロ事件や異常気象などが頻発するようになり、例年になく安心や安全への関心が高まったことが背景にあるものと、解説されていました。安心して暮らせたことへの回顧ではなく、安心を求める国民心理によって選出された世相を残念に思います。

工場防犯協会青色防犯パトロール決起大会でのあいさつ

【工場防犯協会青色防犯パトロール決起大会でのあいさつ】

ところで改めて、安城市の「安」という漢字の成り立ちについて調べてみました。「安」は「ウ(うかんむり)」と「女」で表現されています。漢和辞典では、「ウ」は「奥深い家」とあり、漢字研究者の白川静氏によれば祖先の霊を祀る廟を意味するとされています。また「女」は辞典では未婚の若い女性とされ、白川氏によれば本来は神に仕える女性の姿と書かれていました。

安城市、安全、安心など、私たちは日々何気なく「安」をことばとして発しています。しかし、この漢字の持つ本来の意味は、とても神々(こうごう)しく重いということを確認しました。今年の漢字に「安」が選ばれたことは、今後いろいろな形で社会に影響が及ぶような気がします。年末年始の政治家のあいさつにこの話題が取り上げられるでしょうし、また日常的なまちの話題としても語られることでしょう。安全安心を求める空気が醸成されることで、政治もそれに応えようとし、結果としてそうした社会の実現に向かうことを願っています。

もちろん安城市も、引き続き安全安心なまちであらねばなりません。そうなりますように、年末の特別警戒激励に力を入れたいと思っています。

工場防犯協会青色防犯パトロール決起大会の様子

【工場防犯協会青色防犯パトロール決起大会の様子】

さて、これをお読みの皆さんのお宅では大掃除をされたでしょうか。私は20日(日曜日)に自分の部屋の掃除をしました。数時間でごく簡単に終わる予定だったのですが、捨てるに捨てられない書類や本がずいぶん溜まっており、数時間かけて片づけたものの、結局天皇誕生日に持ち越すこととなりました。日常的に掃除をしない私にもかかわらず、書類の行方不明を避けるため妻には部屋の掃除をさせないようにしていますので、本気で片づけを始めてかなり古い本や書類の整理にまで手を入れると、収拾がつかなくなってしまうという現実があります。

部屋の掃除中に、昔の「議会改革検討委員会」のファイルを見つけました。私の市議会議員時代のもので、平成8年辺りの資料から始まっていました。平成バブルが崩壊し5年が経過した頃のものです。当時の世相を鑑(かんが)み、行政視察の見直し、各種審議会への出席の是非、議員定数など、広く議会運営全般に関わる議論をしていたことが思い出されます。当時、私は30代後半で市議3期目を迎えており、議会改革の先導役として頑張っていた記憶がよみがえります。そんな感慨に浸ってしまうと、捨てるに捨てられない多くの書類や本がまたも手つかずのまま残ります。年末の大掃除は、頭の痛い恒例行事です。

12月14日(月曜日)

12日(土曜日)午前11時から、豊田市内で日本版「首長誓約」の誓約式に臨みました。これは分かりやすく言えば、西三河で環境施策に力を入れてきた5つの市(安城・岡崎・豊田・知立・みよしの各市)が相互に連携し合い、名古屋大学のご指導の下で新しい施策に取り組み、「気候エネルギー自治」を確立しようとするものです。その施策とは、「エネルギーの地産地消」、「温室効果ガスの大幅削減」、「気候変動などへの適応」、以上の3つです。

すでにこうした取組みは、EUで2008年から「市長誓約」として始められているそうで、市長誓約に誓約された市長は6,600人を超し、EUの人口の42%をカバーしているとお聞きしています。今回の日本版「首長誓約」は、このEUの仕組みをモデルとして、誓約した各首長の指導力により地域創生と地球環境への貢献を同時実現することを目指すものです。

日本版「首長誓約」西三河5市誓約式

【日本版「首長誓約」西三河5市誓約式にて】

安城市は、平成17年度からの市の10カ年長期計画である「総合計画」において、目指す都市像を「市民とともに育む環境首都・安城」とし、さまざまな環境施策に市民の皆さんとともに取り組んでまいりました。その姿勢や成果が高く評価され、かつてNGOなどが中心に行っていた「日本の環境首都コンテスト」で、全国総合3位に評価されたこともあります。この10年計画もそろそろ終結する段になり、今回の日本版「首長誓約」のお話をいただいたことを大変嬉しく思っています。

安城市が10年間取り組んできましたさまざまな環境政策や活動、その中には大きな成果を挙げられた成功事例もあれば、やや残念な成果しか上げられなかった施策もあります。そうした私たちの試行錯誤の経験や情報を、参加各市の皆さん方と共有化することでお役に立つのであれば、本市のこれまでの苦労も報われるような気がします。もちろん安城市が見習うべき他市の環境活動などもあり、環境意識の高い皆さん方とともに勉強させていただくつもりです。

師走に入ったというのに、11日(金曜日)の名古屋地方の最高気温は23℃とされており、東海地方では真夏日となった地域もあるそうです。私たちは自分たちの快適便利な生活や、目先の利益目的の経済活動に明け暮れ、未来に向けて負の遺産を残すような都市生活を送っているのではないでしょうか。12月に入ってもまだ雪のないスキー場が多く、海に面した地域では海面上昇による海岸の浸食がひどいようです。また過去にはなかったような巨大台風の発生や、突発的な豪雨も多発するようになっています。

フランスで開催されていたCOP21は、13日未明、難航しつつも最終案が合意され、いよいよ世界各国の取り組みが決定しました。1つの都市でできる環境対策の成果は限定的ですが、複数の都市が一緒になり「点」から「面」へと取り組みの輪を広げてゆくことができれば、日本版「首長誓約」の意義はより高まることになるでしょう。今後は参加自治体が増えるように、新たな取り組みとPR活動に努めます。

12月7日(月曜日)

月日のたつのは早いもので、もう師走に入りました。12月定例市議会が始まり、先週で一般質問が終わりました。今年は例年に比べてあまり寒くないので、なかなか年末を迎えたという気持ちになりませんが、それでも気候とは別に各種行事は師走の催しになって来ましたので、段々とこれから気持ちも年末ムードに変わってゆくのでしょう。

さて、市民の皆さんのさまざまなお声を拝聴する「まちかど座談会」は終わりましたが、それとは別に希望される市民グループとの「市長とティーミーティング」という座談会を通年で開催しています。今回は「新美南吉に親しむ会」からのご希望により、5日(土曜日)にティーミーティングを開催しました。

10人ほどのメンバーの方々の中に、かつて新美南吉に担任をしていただいたという加藤さんとおっしゃる高齢のご婦人がおられました。今回のティーミーティングは、その方からの強いご希望により開催することになったものです。加藤さんは、ご自身の安城高等女学校当時の思い出や、担任だった新美先生を慕うお気持ちを「南吉と安城の未来」という文章にまとめておられ、それを朗読されました。以下は、そのお話の内容です。

加藤さんにお話いただきました

【加藤さん(中央)にお話をいただきました】

「私は安城生まれで、安城に育ち、安城で嫁ぎました。昭和10年頃の安城は碧海郡の中心で、郡役場、郡の警察署などがあり、商売にも活気がありました。一般家庭へは、その頃すでにガスが普及しており、医療では更生病院がありました。人口の割に、安城農林高校、安城高等女学校、安城学園学校と学校が多く、朝鮮や満州からも受験生が訪れており、安城のまちそのものに誇りを持って暮らしていました。昭和13年4月、私が高等女学校に入学した時、新任の新美先生に担任していただき、そのまま4年間担任としてお世話になりました。田んぼに囲まれたのどかな環境で、新美先生は教師としても、また作家としてもよく知られた存在でした。

新美先生亡き後も、心ある安城の皆さんが文学者としての先生の研究をして下さり、研究書にまとめるなど立派な社会貢献をして下さいました。私たち教え子としても何かのお役にたてればと思っており、今から30年前に安城南中学校から新美南吉についての講演を依頼され、教え子4名で新美先生との出会いから別れまでをお話しました。その後、有名な声楽家にお願いし、先生の「貝がら」や英国の歌を、南中生に披露していただきました。私たちは高女在学中に本物の芸術文化の素晴らしさに触れ感動しましたので、今の若い人たちにも同じ感動を伝えたいと思いました。そのような活動を市内はもちろん、半田市、三河各地、さらに長野県まで出向いて行ってまいりました。

平成25年には、安城市主催で新美南吉生誕100年の記念事業を行っていただき、本当に感激しました。つくづく行政の力の強さを実感しました。「北の宮沢賢治、南の新美南吉」と言われるようになり、その知名度は高まりつつあります。女学校当時のピアノが発見されたことも嬉しいニュースでした。安城市は文化都市だと評価しています。どうか安城文化の歴史でもある新美南吉を、これからも大切にして下さい。」

私たちの知らなかった昭和初期、安城が「日本デンマーク」と呼ばれていた時代のまちの様子や思い出の他、教師・新美南吉の横顔をも教えて下さり、本当に貴重なよい勉強となりました。あと1年半で、新しい安城の文化の殿堂となる図書情報館が完成します。貴重なお話をして下さいました加藤さんをはじめご出席の皆さん方とは、新美南吉の書物が並んだ新しい図書施設の中で再会したいものです。

今回ばかりは「市長とティーミーティング」と言うよりも、「南吉の教え子とティーミーティング」と言うべきだったでしょう。南吉の教え子の加藤さん、ご出席ありがとうございました。

 

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