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更新日:2017年7月20日

2.カリフォルニア州ハンチントンビーチ市

1)ハンチントンビーチのようす

・15年ぶりのまちの印象

この度、姉妹都市提携35周年の派遣団長としてハンチントンビーチ市(以下、「ハ市」と略)を訪問しましたが、私がハ市を訪問するのは今回で3回目となります。1回目は今から25年前、10周年に市議会の委員長として訪問し、2回目は15年前の20周年に市議会議長の立場で訪問しています。1回目と2回目の10年間にまちは大きく様変わりをしており、目を見張った記憶がありましたので今回はどんな変化があるのかと期待をしていました。

私にとっては、そんな懐かしい思い出のあるハ市です。しかし、今回も相変わらずの活気あふれる海岸リゾート都市とお見受けしたものの、まちを一望した限りでは、過去15年間でのまちの大きな変化を感じることができませんでした。ホームステイのパーティーなどの際、いろいろな方のお話を伺っておりますと、近年は人口20万人から伸びがなくなってきており、人口に関しては頭打ちの状態が続いていることを知りました。とは言え、ハ市内の住宅市街地の標準的な住居は平均2億円と言われており、今も西海岸での憧れのまちではあります。しかし、リーマンショック以降の米国経済に爆発的な勢いがなくなり、住みたくても手が出せないという高嶺の花のような存在になっているようです。

年間を通じて安定した晴天が続き、夏でも海風は涼しくさわやかで、子どもたちが夏休みに入った海岸はサーフィンやビーチバレー賑わっており、年間で1500万人と言われる観光客数も誇張ではないと感じられました。また今回で113回目となる、7月4日のアメリカ独立記念日のパレードに参加させてもらいましたが、20万人とされる人出で賑わう沿道にも、このまちの活力を感じました。

ハ市の海外姉妹都市は、安城市とニュージーランドの地方都市との2つがありましたが、ニュージーランドの姉妹都市は近年、隣接市に合併されてしまったそうで、現在は本市1つのみとなってしまったとお聞きしました。そのせいか独立記念日パレード会場で、姉妹都市として安城市が紹介されると、ひときわ大きな歓声が上がり、長いお付き合いの歴史が多くの市民に認知されていることがよく分かりました。

アメリカ合衆国独立記念日のビーチの様子

【独立記念日のビーチの様子】

・日系の方との会話から

ハ市の近隣都市でも、日本の地方都市と姉妹都市提携をしている市がいくつかあるようですが、本市のように友好関係が安定的に長く続いている事例は稀のようで、現地の国際交流に関係される皆さんは、その点をとても高く評価されていることを知りました。また日系のお世話人の方からは、「アメリカ社会では近年、韓国系住民が従軍慰安婦の銅像を建てようとして各市議会に陳情する動きが見られ、日系人は異議申し立てをして抵抗をするものの、その土地の政治家が日本に親近感を持ってくれているかどうかが重要と感じている」と、草の根国際交流の目に見えない意義というものを教えて下さいました。

お世話になったホストファミリーとの様子

【お世話になったホストファミリー(中央)】

私がホームステイしたお宅の庭で開催された、ハ市の国際交流協会主催によるホームパーティーには、ハ市市長はもちろんのこと、日本のロサンゼルス総領事ご夫妻も駆けつけてくださった他、日本の学生たちのホームステイを受けてくださった歴代ホストファミリーもお集まりくださり、とても賑やかで盛大なものとなりました。

ハ市と安城市との交流は、都市と都市を点で結ぶささやかなお付き合いに過ぎませんが、それを長く継続してきたことで太平洋を超えた市民の絆が生まれていることを確認できました。日本が広く国際社会で認知されるように、海外とのご縁のできた私たち一人一人が国際交流の一翼を担っているとの責任と自覚を持ち、草の根交流を継続してゆかねばならないと感じました。

2)アメリカの地方政治

・ハ市長とのパレード参加から

ハンチントンビーチ市長と独立記念パレードの様子

【ハ市長との独立記念日パレード】

ハ市でのアメリカ独立記念日パレードでは、ハ市の女性市長バーバラさんと先導車に同乗させていただきました。また、かつて市長を務め姉妹都市締結の書類にサインをされた、今はご高齢の元ハ市幹部の方々とも懇談することができ、アメリカ地方政治の空気の一端を感じ取ることができましたので、最後に感じたままを記します。

ハ市長バーバラさんとは、パレードでの車の同乗を含めて、午前中のほぼ半日近くをご一緒しました。ハ市長はアメリカ人としてはやや小柄な方で、年齢はおそらく私とほぼ同世代かと思われましたが、彼女とご一緒した印象はとにかく精力的で気配りの人のひと言に尽きます。道を歩いての移動中は多くの市民とすれ違いますが、交通整理やゴミ拾いのボランティアの一人ひとりにまで、ご自分から気さくに声をかけ続けられました。またパレード中は、沿道の観客から幾度となく名前を呼ばれていましたが、すべての声援に応えるべく、手を振り笑顔を振りまいておられました。

さらにパレード後の徒歩での移動中、沿道の知人が自宅に誘い入れてくれれば、飛び込みで家の中を見学させてもらうなど、一緒に歩いていた私もすべてに同行しましたが、とにもかくにも精力的に動き回られます。炎天下で彼女の行動におつき合いした私は、初めて着た浴衣と不慣れな下駄ばきだったため、歩きにくいやら暑いやらで閉口してしまいそうでしたが、アメリカでも地方選挙はかくのごとき体力と気力と愛嬌の勝負なのだろうと想像されました。

・ハ市の政治土壌

ハ市では選挙で7人の市議会議員が選ばれ、その中から1人の市長が選び出されますが、市長任期は1年交代とされ、選挙の得票順に市長に就任するそうです。市長はおそらく市議会の司会進行役に近い存在で、行政の最終的な意思決定は市長一人がするのではなく、常に市議会全体での合議で行うものと思われました。こうした現行制度をハ市長は、「古い地方政治のやり方」と表現しておられましたが、ハ市の多くの市民はこれが最善の市政運営と受け止めているようです。

‘80年代に市長を経験された80歳前後の紳士お二人とお話する時間もありましたが、その時、「自分たちの時代、市議会議員選挙の出馬には1千万円ほどの費用が必要だった」とお聞きし大変驚きました。人口20万人の市民にアピールするためのチラシ作成や運動員確保のためには、やはりこれくらいの資金は必要とのことでした。

日本の市議会議員選挙では、いくらなんでもそれほどの選挙費用は必要ありませんし、またアメリカの市議会議員は無報酬のボランティアに近いため、なぜそこまでお金を投じて市議会議員選挙に出馬をされるのかがよく理解できませんでした。ハ市の市議らはいずれも事業経営をしておられるようで、確固たる経済基盤をお持ちの方々ばかりと思われました。そこで、通訳してくださった日系の世話役の方にこっそり「ハ市議らは、市政を通じて自らの事業へ利益誘導をされるのですか?」とお聞きしました。

しかし、世話役の方は、「いいえ、この規模の町で自己への利益誘導を図れば、周囲にすぐに伝わり次の選挙には出られなくなります。この地の地方政治家はとにかく自己犠牲を払ってでも、このまちのために尽くしたいという強い信念で議員活動をしているのです。有権者はその心意気に惹かれるからこそ、熱心に応援をしてくれるのですよ」ときっぱり否定されました。

議員になり市政を担うための多額な選挙資金を、自己調達できる人だけが政治家になれるという制度には問題があるように感じました。しかし、そんな市議選に議員定数の数倍の候補者が出馬されるそうで、そこまでしてでも自らが暮らす地域社会のために、奉仕の精神を発揮したいとされる方が何人もおいでになるとお聞きし、今後は感動に似た気持ちが湧いてきました。ハ市は、社会的な成功を収められた富裕層が多くお住まいになっているまちのため、自ら進んで市議選に立候補される方が何人も出てこられるのでしょう。また、そうした尊い精神のあふれた市議の中から、州議会議員や国会議員が生まれているということでした。

アメリカと日本、またハ市と安城市とでは、国や都市の成立過程の歴史や、それによる意識の違いがあり、それぞれ政治や社会制度の違いをひとくくりに論じることはできません。それぞれの市民が認めている選挙制度、社会制度の中で、どう最善を尽くし、どのような成果を挙げるかが問われます。ハ市も、本市も、ともにそれぞれの国で一目置かれるように、都市としての魅力を磨き上げてゆきたいものです。

ハンチントンビーチ市の関係者のみなさんとの様子

【ハ市の関係者の皆さんと】

1.コンパクトなまちづくり オレゴン州ポートランド市

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