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更新日:2017年6月20日

お待たせしましたアンフォーレ

6月1日(木曜日)、いよいよアンフォーレがオープンします。この場所にあった更生病院が、現在の地に移転したのは平成14年の春のことです。その時点から数えて15年目を迎えた今、ようやくアンフォーレをオープンすることができました。ここに至るまでの経緯は、過去にもこの「今月のメッセージ」でお知らせしましたが、改めてアンフォーレ完成に至るまでをふり返るとともに、その魅力をご紹介いたします。

アンフォーレ外観

【アンフォーレ外観】

過去の記事:活力再生への歩み(2015年6月)

1、議論百出の頃(平成15~19年)

更生病院が郊外移転をし、間もなく病院が取り壊されました。建物取り壊し後、安城市土地開発公社が跡地を購入し、それに合わせて跡地利用に関して市民レベルでの議論が活発になりました。任意のグループや商工会議所青年部、さらに市役所内でもいろいろなアイディアが出されました。さらに大学にもお願いして、特に都市開発に関する勉強をしている若者たちにも独自のアイディアを出してもらいました。

奇抜なところではスーパー銭湯や娯楽施設、そして産業振興センターや医療モールなど、それぞれの立場の方々が自らの好みや業界のニーズから意見を出されました。しかし、あちらを立てればこちらが立たずで、意見はとても一つにまとまる気配のないまま歳月のみが流れてしまいました。

私自身は本来、政治や行政が主導するような結論にしたくはありませんでした。しかし、いろいろなグループが議論を重ねて、意見を出せば出すほど混迷を深める状況となり、十人十色の自由闊達な意見交換をどれだけ繰り返しても、まとめ役が存在しなければ結論が出ないとの危機意識が、地元住民の皆さんの中で高まりました。そこで、地元要請を受けて市役所が事務局を務め、地元代表や有識者の意見をまとめてゆくこととなりました。

2、構想の具体化へ(平成20~24年)

立ち上げられたのは、「中心市街地拠点整備構想策定懇話会」という長い名前の会議体で、市長の私から更生病院跡地の在り方について諮問させていただきました。当初は、やはりここでも議論はまとまりを欠いていると報告を受け心配していましたが、出された意見に基づき他市の類似施設を見学していただくことで、意見や意識の具体化と集約に努めました。

中心市街地拠点整備構想策定懇話会の様子

【中心市街地拠点整備構想策定懇話会の様子】

委員の皆さんにいくつかの都市施設をご覧いただいた結果、最近の図書館は文教施設ながら集客力があり、まちのにぎわいの核となり得るということが分かり、最終的なご意見として「地域力を育む健康と学びの拠点」との答申をいただきました。

これよって、図書施設を核とする具体的な方向性が導き出されたのですが、それでも各種団体や市民から答申内容を疑問視する意見は聞かれ、前途多難な見通しを持ちました。一部の市民の方にとって、図書館というものは堅苦しく陰気くさいイメージの施設だったようです。「せっかくのまちの一等地に、なんで図書館など…」という声が漏れ伝わってきました。市議会内でも、膨大な議論の時間を費やしたにもかかわらず異論は消えず、さりとて明確な対案も示せない状況に業を煮やして、図書施設への理解を示す声が大きくなり始めたものの、賛同する議員も不安を隠しきれないようでした。

平成24年秋、ようやく私たちの具体的な事業計画案ができ上がりました。この公表に関しては市議会からのご助言があり、市長の私自らが市内を巡回する形で説明に回り、全市的な理解に努めることとされました。市議会内で「市民の合意形成は、市長自らが説明責任を果たすべし」という付言があったようです。そこで市内4会場(北部、西部、桜井、中央)を回り、私なりの説明を尽くした結果、各地域でそれぞれご意見はあったものの、概ねのご理解はいただけたものと判断しました。

地区説明会の様子

【中心市街地拠点整備事業説明会(中央)の様子】

以上の流れで、多くの皆さんのご意見を拝聴する中、1つの疑義だけは明確な回答を見出せない状態が続いて来ました。その疑義というのは、平成20年代当初、日本でも注目され始めていた電子書籍に関してで、「これから電子書籍が普及すれば、従来型の図書施設は時代遅れの無用の長物になるのではないか」という主旨であり、当時の私は明確な回答をすることができませんでした。この疑義に対する答えを持たずして図書施設の建設に踏み切れば、将来に大きな禍根を残すように思われました。

そこで平成24年1月、日本に先行する形で電子書籍がブームになっていたアメリカ合衆国へ疑問解決のため視察に出かけ、電子書籍により図書館がどのように変化し始めているのかを自分の目で確認しました。日本国内では、どうにも回答を見いだせない課題だったため、この視察は非常に有意義だったとふり返ります。

この時のアメリカ視察をひと言で総括すれば、書籍のデジタル化が始まったとしても、長年慣れ親しんだ紙の本を読むという人間の習慣やニーズというものが急に変わるわけではなく、紙の書籍は引き続き相変わらず必要とされるということです。もちろん、アメリカの図書施設では情報のデジタル化対応が図られていましたが、紙ベースの図書空間は維持されつつ、別にデジタル対応の空間を確保するという手法がとられていました。

よって、私たちの新しい図書施設に関しては、将来に向けた書籍のデジタル化をにらみつつ、これまでの紙の書籍も豊富に取りそろえ、デジタル情報とアナログ情報の併存させた「ハイブリッド型」の図書施設を目指すこととしました。

アメリカの視察報告:海外行政視察報告「米国東部における図書館の現状」

ニューヨーク公共図書館内の様子

【ニューヨーク公共図書館内の様子】

3、建設事業(平成25~29年)

図書施設を核とした複合施設の建設というおおよその方向性が固まり、建設事業者の公募作業が進められましたが、それでも市議会議員の皆さんの中には、図書館でまちのにぎわいが再生できるのかという疑問を抱いておられた方が少なからずおいでのようでした。

そんな時、平成25年春にオープンした佐賀県武雄市のいわゆる「ツタヤ図書館」の大盛況ぶりが全国ニュースとして注目を集めるようになりました。カルチュアコンビニエンスクラブ(TSUTAYAの経営母体)による指定管理の市立図書館ですが、館内にはツタヤ書店とスターバックスコーヒーが置かれており、年間入館者数は100万人に達するのではないかという報道に驚きました。

後に、この民間書店の運営する図書館は管理運営を巡り、社会問題として全国各地で取り上げられることになったのですが、ツタヤ図書館の是非は別問題として、とにもかくにも図書施設が街のにぎわいの核となるということが、全国レベルで立証されたことにより私たちの図書施設建設への弾みがつきました。私自身はもちろんですが、安城市議会からも多くの市議の皆さんが武雄市へ視察にお出かけになりました。

平成25年秋、拠点施設はPFI方式として建設事業者の公募を開始しました。その結果、4つの企業グループからの応募がありましたが、いずれも実績豊富な大手ゼネコンが入っており、提案の内容は甲乙つけがたい優れた計画ばかりで、審査は最後の最後まで難航しました。特に今回の建設事業は、本市にとって初のPFIによる建設・管理という手法を採用したことで、その経験のない私たちにとって選考の難易度はかなり高く感じられました。そこで、複数の大学の先生方の見解を参考とさせていただき、何とか26年1月には優先交渉権者を清水建設グループに決定することができました。

その結果、清水建設グループと契約することとなり、図書施設は書籍のデジタル化を見すえたハイブリッド型とし、施設全体は「図書情報館を核とした複合型都市施設」というイメージによる設計が始まりました。

 

しかし、建設業者が決まりやれやれと思う間もなく、今度は韓国の首都ソウル市に国立デジタル図書館があるとの情報が寄せられました。すでに設計の基本方針を固めてはいたものの、韓国のデジタル図書館は世界の最先端を行くとマスコミ等で評価されていましたので、本市の図書施設の基本設計が仕上がってしまう前に、見るべき点は見ておこうと考え、平成26年5月、私と市議会代表と教育委員会代表の5名で急きょ韓国に出かけることとしました。

Dibraryと呼ばれる韓国の国立デジタル図書館は、電子機器の端末のみが置かれた巨大なペーパーレス図書館といった印象で、その規模の壮大さに目を奪われました。しかし、私自身はかつてのアメリカ視察の際、テンプル大学でTECH Centerというデジタル図書館を見ていましたので、まったく未知の光景というものではありませんでした。

また、それらで見た数多くの情報機器を揃えるということ自体は、それなりの資金を投じれば難しいことではありませんが、重要なのは利用者に対してどんな情報を提供するのかにあると思われました。つまり独自の情報を豊富に提供できる体制がなければ、体のよいインターネットカフェに過ぎません。Dibraryの視察を通じて、私は改めて本市独自のデータなどソフト集積を図っておく必要性を痛感しました。

またデジタル情報の利点は、離れたエリア間で情報共有できるところにあり、ソウルの国立Dibraryと韓国内の地方都市の図書館がデジタル回線で結ばれ、国内のどこにいても同じレベルの情報を共有し合える環境は、大変良い参考となりました。デジタル情報のよさを生かすためには、ソフトとハードの充実、そしてそれらをつなげるネットワーク構築が重要であるとの認識を持ち帰国しました。

韓国の視察報告:韓国の最新図書館視察(2014年5月)

韓国国立中央図書館Dibrary

【韓国国立中央図書館Dibrary】

本市ではアンフォーレ内の図書情報館を核として、市内の各公民館図書室や小中学校図書館など全図書施設がオンラインで結ばれており、100万冊を超す蔵書の書籍検索が瞬時にできるシステムを活用できる環境としております。

 

4、アンフォーレの魅力

図書情報館、商業施設、広場、さらに立体駐車場といった拠点施設の総称は、平成28年1月に公募によって決定しました。アンフォーレの「アン」は安城市のアン、「フォーレ」は森を意味するフランス語で、私は安城の新しい文化の森となってくれることを願っています。外観はレンガ風の建物とされましたが、安城市が全国のレンガ生産の大半を担ってきた歴史をご存知の市民は少ないのではないでしょうか。そんな訳で、名前も外観も本市にふさわしい都市施設がようやく完成しました。

以下、この施設の主な魅力について、簡単にご紹介申し上げます。

(1)交流多目的スペース(1階、地下1F)

まずは入口部分のエントランスホールからです。エントランスにはカフェがあり、利用者の皆さんの情報交換と交流の場になります。また市民課の窓口が設けられ、土日・祝日の証明書発行はここでお受けいただけます。

この施設の大きな魅力の1つは、1階から地階にかけての約250人が着座できるホールにあり、ホール全体が透明ガラス張りという特徴があります。ステージで開催されるイベントを、ホール内外の多くの皆さんが一体的に楽しんでいただけます。もちろん研修などに利用いただく際は、ホール内をのぞき込まれると参加者の気が散りますので、利用目的により透明ガラスを曇りガラスに変えることができ、これによってかなり利用の幅が広がりそうです。

多目的交流スペース地下1階

【交流多目的スペース地下1階】

(2)図書情報館(2~4階)

・2階「子どものフロア」

絵本や児童書、子育て関連の本の他、雑誌や新聞も用意され、多くの皆さんにくつろいでいただけます。電子新聞、読書通帳機、本の消毒機、予約本の受け取り機といった他の図書館にはない、新しい機器によるサービスを受けられます。

子供たちを育むフロア

【子どものフロア】

・3階「暮らしのフロア」

本市の目指す都市像である「健幸都市」にふさわしい本を中心に、ビジネス書、趣味の本、郷土資料などを揃えています。また、「らBooks(ラブックス)」というティーンズ向けの図書も置かれている他、グループでの学習ができる環境を充実させました。

・4階「学問と芸術フロア」

このフロアだけは、いわゆる昔からの図書館というイメージのフロアとしています。長い間読み継がれてきた優良書籍の他、貴重な書籍を置いており、静かに読書や調べものをしていただく場となります。個人学習ができる環境を充実させております。

 

以上、長々とこれまでの経緯をまとめてみました。私自身はアンフォーレ建設に関しては、花ノ木・末広地区の都市整備事業の一環と考えてきました。よって、周辺の家屋移転や道路整備など、権利者の皆さんとの交渉を進めつつ建設事業に着手してまいりましたので、アンフォーレ完成まで大変長い歳月を要してしまいました。

この地域の都市整備にお骨折りくださった方々の中には、拠点施設の建設を心待ちにしながらも、残念ながら他界された方が何人かおいでになります。そうした皆さまに心の中で手を合わせつつ、この事業を進めてまいりました。改めて、長年にわたりご理解ご協力くださいました全ての皆さんに、心より感謝申し上げます。

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