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更新日:2016年6月16日

応援が元気の源(みなもと)(2016年5月)

5月9日(月曜日)安城市発展祭の式典後、元女子マラソン選手でオリンピックのメダリストの有森裕子さんにご講演いただきました。非常に感動的なお話で、学ぶべきことがたくさんありました。特に最後の締めくくりで述べられた「応援することならだれでもできる。そして、応援された人も、応援する人も、どちらも元気をもらうことができるのです」のひと言に、本市が目指そうとする「健幸都市」への貴重なヒントをいただいた思いがしました。

以下、当日の有森裕子さんのご講演の要旨と、私の感想をまとめてみました。

安城市発展祭にて有森裕子さんの講演会の様子

【安城市発展祭にて有森裕子さんの講演会の様子】

講演「有森流 運動でもっと元気に」

脚のひ弱な幼少時代

オリンピックの女子マラソン選手、しかもバルセロナ大会で「銀」、アトランタ大会では「銅」のメダリストとお聞きすれば、だれもが健康優良児のまま成長されたと思ってしまうのですが、意外にも幼少時は脚が弱く、歩行にすら困難を来たすような状態であったことを知りました。生まれて間もなく、お母さんは彼女が股(こ)関節脱臼であることに気づき、病院で矯正バンドによるリハビリをする赤ちゃんで、自立歩行できるまで普通の子よりも1年近く遅れてしまい、歩行後も毎年の精密検査を必要と診断されました。脱臼のためにO脚がひどく、自分で自分の脚に引っかかり、すぐに転んでしまうような子どもだったそうです。

陸上と出会う小学時代

小学校入学後、成績は今一つ、運動は苦手、すぐ転んでケガが絶えない、そんな自分に自信を失ってしまい、担任の先生に愚痴ばかりをこぼしている子どもでした。体育が専門だった担任の先生は、いつも元気のない彼女によく声をかけてくださり、「裕子はいつも愚痴ばかりを言うが、お前は自分にしかないいいものを持っている。もっと自分にしかないいいところを口にしてみろ。他人と違っていい、自分の持っているものを大切にしろ」と励まし続けて下さいました。皆と違うことが悪いことではないと知り、それを分かって下さる先生が身近にいることだけで元気が出て来たそうです。そんな先生に頑張る自分の姿を見せたい一心で、先生が顧問をしている陸上クラブに入ったことが彼女と陸上の最初の出会いでした。

ほめられて伸びる

ある人にどんなに素晴らしい素質があったとしても、その人にやる気がなければ、せっかくの能力も発揮することができません。有森さんは「人間は出会いと経験で変わることができる」と強調されました。自分を認めてくれる先生のために頑張ると、先生がほめて下さる。また、一生懸命に頑張ることが楽しくなると記録も向上し、そのことを周りの皆も喜んでくれるようになる。有森さんは、陸上を通じて自分自身にそんな好循環が生まれることに気づかれました。

小学校を卒業する時、先生は「お前はいいもんが見つかった、頑張る自分が見つかった」とおっしゃられ、「器用でなくていい、一つ事を成せばいい」と激励下さり、そのことばのマジックで自分を成長させることができたそうです。ことばに気持ちが込められていれば、そのことばは不思議な力を持つようになります。有森さんは「言霊(ことだま)」ということばを口にされました。

安城市ホームチームサポーターキックオフ式の様子

【安城市ホームチームサポーターキックオフ式の様子】

挑戦+辛抱+プラス思考

彼女は中学に進むと、体育大会では皆がやりたがらない種目に挑戦することとし、それが最も長い距離を走る800m走でした。皆がやりたがる種目では、自分の良いところが認めてもらえないと考えたからだそうです。皆が挑戦したくない種目は強いライバルが少なかったせいか、彼女は学年優勝することができ、以後3年間ずっと800m走での学年優勝が続きました。

やがて高校に進学し、その後も長距離を走るため陸上部の入部を希望するのですが、陸上競技の強豪高校だったため、全国大会どころか県大会にすら出場していない有森さんは入部を認めてもらえなかったそうです。来る日も来る日も陸上部顧問の先生にお願いし続け、ついに根負けした先生が仮入部をさせてくださったそうです。

顧問の先生は、「彼女が本校陸上部のレベルを知り、厳しいトレーニングを体験すれば、じきに退部する」と考えておられたそうですが、入部後の彼女は、朝一番早くから夕方一番遅くまで練習する粘り強さを見せ続けました。それでも練習では常に最後尾を走る部員であり、駅伝はいつも補欠メンバーのままでしたが、卒業まで部員の中で一番頑張ったのは彼女でした。高校の先生の「有森、辛抱せい。粘りがお前の武器だ。頑張り続ければいつか前に行けるかも知れん」のひと言で、大学進学後も長距離走を続け、やがてリクルートの小出監督の指導を受けることになります。

小出監督は常にプラス思考をされる方で、良いところをほめて選手の能力を最大限に伸ばす監督でした。大会までの限られた時間の中で、選手をけなしたりくさすのではなく、ほめてやる気にさせてよい状態で大会に臨めるように導かれました。有森さんはご自身のO脚や猫背気味の体型を気にしておられたそうですが、そうしたコンプレックスすらほめ上げることでプラス思考に転化させ、その選手の持つ肉体と精神を最高の武器にさせてしまう心理マジック。小出監督はそんなマジックを使える方だったそうです。

応援が元気の源(みなもと)

有森さんは、「物事に対して前向きにプラス思考でとらえることが、健康につながるのではないか」と述べられ、最後にこう結ばれました。「子どもは運動会という応援してもらい元気が出る場がありますが、大人にはありません。しかし、大人は他人を応援することで、自分も元気がもらえる場はあります」。確かに私自身も、オリンピックで本市出身の谷本歩実さんの試合を応援しているうちに気持ちが高揚し、声がかれんばかりの元気な大声を出していたことを思い出します。「他人の応援をすることで、自分の元気をもらう」。そんな健幸な生活もあったのだということに気づかされた有森裕子さんからのメッセージでした。

有森裕子さんとともに

【有森裕子さんとともに】

【感想】

「自分で自分をほめたいです…」。有森裕子さんの講演中、アトランタ五輪の女子マラソンゴール直後に、彼女が発したこのことばがいく度となく思い起こされました。競技終了直後のスポーツ選手が口にしたことば、有森さんの他にも、「今まで生きてきた中で一番幸せです」、「ちょー気持ちいい」などユニークなものを思い起こしますが、いずれも感極まった選手らが自らの素直な気持ちを表現したものと私には感じられました。

人並みな歩行すらおぼつかなかった幼少時、大好きな先生にほめられたくて入った小学校の陸上クラブ、そして強豪の陸上チームではビリや補欠の常連にあっても、めげることなくひたすら辛抱と我慢を続けてつかんだ五輪出場権。そしてまさかのメダル獲得のお話をお聞きすれば、「自分で自分をほめたい」を口にされた彼女の気持ちはよく分かります。

常勝を続けていたエリート選手が、オリンピックになるとそのプレッシャーで失速することもある中、彼女のオリンピック2大会連続メダル獲得は光ります。その彼女も徐々に、応援される側から応援する側へと立場が変わりつつあるようで、結びのことばで応援する人たちへのアドバイスを述べていただいたことに大きな意義を感じました。発展祭当日は5月の連休明けの月曜日で、会場にいらっしゃる方々はご年配の方がほとんどでしたので、「応援することから元気をもらう」ということばに、元気のヒントを得られた方は多かったのではないかと思われます。

安城市では、この有森さんの講演を機に、市内の実業団スポーツチームを市民の皆さんとともに応援する「ホームチームサポーター」をスタートいたしました。全国大会で活躍されている(株)デンソーの女子ソフトチーム「ブライトペガサス」、アイシンAW(株)の女子バスケチーム「ウィングス」、(株)ニッセイの軟式野球チーム「ニッセイGTR」、この3チームを多くのスポーツファンの皆さんとともに応援し、全ての市民の皆さんが元気になることを心より願っています。

今年はオリンピック年です。安城市ゆかりの選手が、夏のリオデジャネイロで活躍してくれることを願っています。今年はスポーツから目が離せません。

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