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更新日:2015年11月12日

新しい長期計画(2015年10月)

安城市では現在、来春からの8カ年を見据えた「第8次総合計画」(以下、「8次総計」と略)という長期計画をまとめつつあります。これまでは平成17年度スタートの10年計画、第7次総合計画(以下、「7次総計」と略)を進めて来ましたが、いよいよこの計画も最終年度を迎えています。

環境首都を目指した7次総計

今から10年前の平成17年度、7次総計をスタートしました。この年に「自然の叡智」をメインテーマとした愛知万博が開催されており、未来に向けて「環境」が非常に重要な社会テーマになってゆくのだろうという見通しに立ち、この地域では安城市が時代を先んずることとしました。さらにその目標はより高く、目指す都市像は「市民とともに育む環境首都・安城」とし、さまざまな市民の皆さんのご協力をいただきながら、環境施策を推進してまいりました。

7次総計の環境施策と並行する形で、全国的なNGOネットワークによる「日本の環境首都コンテスト」に参加を続け、最終回の平成22年度のコンテストでは、全国総合3位に評価されるに至りましたが、残念ながら環境首都の称号をいただくことなくコンテストは終了してしまいました。しかし、その後も様々な環境活動を継続し今日に至り、多くの成果を挙げることができました。多くの市民の皆さんのご協力に感謝申し上げます。ありがとうございました。

七夕まつりでのごみ拾い

【七夕まつりでのごみ拾い】

総合計画を考える

さて、その7次総計も終了間近となり、次の8次総計をどうするのかが大きな課題となりました。そもそも、これまでの10年間をふり返りましても、以下のような不測の事態の連続となり、これからの時代に10年間という長い見通しを立てるのは現実的ではないと思われました。

平成17~19年 「元気な愛知」と言われた時代

20年秋 リーマンショック発生(この地域ではトヨタ・ショック)

23年春 東日本大震災と原発事故の発生(余波はこの地域にも及ぶ)

また地方自治体では4年に1度の統一地方選挙があり、その都度、首長の交代による方向転換の可能性が生じます。さらに長期計画の他にも3年間の中期計画を立てていますので、長期計画はそれなりの長い期間であらねばなりません。よって計画期間は、4年間×2の8年間としました。もちろん8年の中間年には、時代の変化に応じた見直し作業をすることとしています。

そんな訳で、計画期間の長さは以上としましても、さて、その目指す都市像をどうするかが次の頭の痛い課題でした。市長の仕事は、日々、市政の根幹に関わる重要案件への対応の連続です。しかし、その中でも市長として最も重要な仕事は、こうした長期計画のテーマ選定なのではないかと考えます。

安城市政を乗客18万5千人が乗った大きな船舶にみなし、市長をその船長に例えるなら、船長がこれからどこに向けた航路をとるのかを明示しない限り、船員たち(市職員)は具体的な心構えができませんし、乗客の皆さん(市民)も不安を抱くことでしょう。新たな長い船出に際しては、まず船長が到達しようとする目的地をきちんと示さねばなりません。それによって船員らの役割が明確化され、乗客も安心することができます。また、進むべき航路を乗船者全員が共有し合うことで、連帯意識が芽生え協力し合える場面も生まれることでしょう。

市政運営上、職員個々の自主的な創意工夫は不可欠です。しかし、地方公務員法で副市長以下の職員は、「首長の補助機関」という位置づけがなされている以上、市長が大きな方向性を示し、その方向の中で職員は創意工夫を凝らすことが自治体運営の原則となります。よって市長は職員らを叱咤激励する前に、どんな方向に向けて何を頑張ればいいのかという大筋を、内外に明らかに示しておく必要があります。大切なのは、市長が「この指止まれ」の最初の指を、どこに向けてどう差し出すのかでしょう。長期計画のテーマに思いを馳せつつ、そんなことを考えてきました。

働く市職員!

【働く市職員!】

もしも、こうした市の長期計画の基本テーマ設定を、市長が担当職員らに丸投げしてしまった場合はどうなのでしょう。職員らが考えたテーマに市長が拘束されてゆくことになり、市長が職員らの補助機関と化してしまうような本末転倒の状況が生まれてしまうことになります。やはり大切なのは、長期計画の基本方針のテーマを市長自身がどう示してゆくのかということだと思っています。

もちろん、長期計画のテーマそのものを市民アンケートで決めることも考えられますが、市民のどれほどの割合の方が、地域社会の将来と市政のあるべき姿を見出せるのかが不透明です。また、後にテーマ設定そのものが時代にそぐわないことが判明した時、その責任は市民に帰せられる可能性があり、政治的にも行政的にも無責任な状態が生まれる可能性があります。

今後の社会情勢、財政状況、市民ニーズを、市長自らが見通して長期計画テーマを設定し、市議会や市民に理解を求め、その結果については市長が政治的に責任を負うという形が望まれます。これまでの13年間の市長経験と、7次総計10年間の成果から、総合計画のテーマについて私はそう考えています。

「環境」の次のテーマ

10年前、7次総計で「環境」をメインテーマにすることを公表しますと、賛同と同時にご批判の声も挙がりました。ご批判は主に「環境を重視すれば経済が後退する」、「環境よりも福祉が重要」などでした。しかし、東日本大震災が起き福島原発事故が発生すると、日本中はもちろん世界中で環境問題に関心が集まり、自然エネルギーなど代替エネルギーのあり方に関心が集まりました。私は10年前、漠然と「やがて環境を重視せざるを得ない時代が到来するのではないか」と考えましたが、それは予想以上に早く、しかも大変悲しい結末とともに到来してしまいました。環境首都を目指すという方向性は誤っていなかったことになりますが、私自身が喜べないような形で正当性が証明されてしまいました。

さて7次総計も終わりに近づき、今度は「環境」の次のテーマは何がよいのかが大きな課題となりました。近年になり、「2025年問題」ということばが喧伝されますように、本市にも超高齢社会の到来が迫りつつあることに気づかされます。「2025年問題」とは、団塊の世代が2025年頃までに後期高齢者(75歳以上)に達する事により、介護・医療施設の不足と社会保障費の急増が懸念される問題です。

なつかし学級の様子

【なつかし学級の様子】

安城市では、早期に「環境」というテーマに取り組んだことにより、全国モデルとなる環境政策の先進事例をいくつも展開することができました。よって次の8次総計でも、超高齢社会が深刻な問題と化してしまう前に、早目の対策と問題解決を図ることが必要と考え、将来への安心確立に向けて健やか幸せを意味する「健幸」をテーマにしようという結論に達しました。

しかし、「健やか」も環境と同様に、重要ながら具体策の実施が難しく、行政だけの取り組みには限界があります。市民個々の健康は、各位の自覚と責任が基本となり、そのための啓発活動が課題となるでしょう。また不幸にして体を壊してしまわれた際、地域で医療・福祉との協力により高齢者をどう支え合うかも重要です。さらに「幸せ」も抽象的な概念であり、かつ個人の主観に関わる面が大きく、18万5千市民の幸せはおそらく千差万別であり、それらをどう実現してゆくのかも頭の痛いところです。

笑いヨガ教室の様子

【笑いヨガ教室の様子】

「健幸都市」に向けて

本市では、平成26年4月より自治体シンクタンク「みらい創造研究所(以下、み創研と略)」を開設し、「健幸都市」実現のための研究を進めてまいりました。最近は、国民総幸福量(Gross National Happiness)が注目され始めました。国民総幸福量は、精神面での豊かさを「値」にし、ある国の国民の社会・文化生活を国際社会の中で評価・比較・考察することを目的とされています。

こうした新しい視点からの市民満足度を探ろうとする自治体もあり、本市のみ創研でも安城市版の「豊かさ」や「幸せ」の定義づけを進めてくれました。み創研のこれまでの調査・研究により、安城市民の幸せの要素は「健康」、「環境」、「経済」、「きずな」、「こども」の5つにまとめられています。

新しい総合計画ではこれらの要素を5本の柱にして、健やか幸せを意味する「健幸都市」を目指してまいります。その詳細は、また別の機会にご紹介いたします。

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