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更新日:2014年11月19日

地方から考える少子化対策(2014年10月)

以前の「月曜日のひとこと」でもとり上げましたが、8月下旬より全国市長会で「少子化対策・子育て支援に関する研究会」が開催されるようになり、2か月に1度のペースの会議に私も委員として出席するように努めています。この研究会は全6回の開催とされ、来年6月には締めくくることになっています。

そもそもは今年5月、増田寛也・前岩手県知事(元総務相)を座長とされる日本創成会議が、「東京圏への人口一極集中が続けば、2040年には896の市町村が消滅する」という結果を発表されたことから始まります。大変衝撃的なその内容に、それ以来、全国の市町村が強い危機意識を持つようになりました。そうした気運を背景に、全国市長会としての研究を進めるべくこの研究会が開催されることとなりました。なお国や全国知事会も、少子化対策の専門会議をお持ちになり、それぞれの立場で問題解決を図ろうとされています。

全国市長会のこの研究会は、全国の市長代表31名の委員で構成され、女性市長の割合が高い(5名)のが特徴と言えます。また過去2回の会議ともに、この会議の傍聴を希望される市長が出席委員と同数程度おいでになられ、全国レベルでの関心の高さを実感させられます。その2回の会議内容を改めて以下にまとめ直し、最後に全国平均よりかなり高いこの地域の合計特殊出生率の社会背景を探ってみました。

ゴックン教室の様子

【ゴックン教室にて親子のふれあい】

1、第1回研究会のようす

少子化に直面する過疎のまちが抱える問題は深刻で、厳しい実状が次々と報告されました。少子化の状況や原因は、それぞれの地方によって大きな違いがあります。以下に課題を、人口増加が続く「都市部」、人口減少の「過疎地」、そして全国的な「共通課題」と分けて、ごく簡単にまとめてみました。

都市部

人口集中により保育所が不足し、子育てが極めて難しい

過疎地

就業の場がないため若者が定住せず、結婚適齢期の男女が少ない

共通課題

安定した雇用の確保

全国的に、正社員に採用された若者は配偶者を探しやすい一方、非正規雇用の若者は結婚が難しいというデータが示されています。また若者の晩婚化により、希望した子供の数を出産することなく加齢してゆく女性が、増加している傾向も見られます。さらに、夫婦共働き世帯が、専業主婦世帯を上回る状況は、10年以上も前から続いているという現状もあります。少子化対策は、こうした若い世代の「雇用」、「子育て支援」、家庭や地域社会の社会的な「協力」など、課題は広く多岐にわたることがこの初回研究会で示されました。

・私の発言の要旨

「参加された市の中から出生率の高い都市を拾い出し、そこに共通する社会環境や政策を分析してみたらどうか」

全国の合計特殊出生率1.43(※1)に対し、「安城市は1.75(※2)」と会議に参加した31市の中では2番目に高い数値でした。何かの参考になればとの思いからこうした提案をしました。

国・県・市の過去10年間程度の出生率変化

(※1 「1.43」とは、平成25年の国の合計特殊出生率の確定数)

(※2 「1.75」とは、平成20年~平成24年における安城市の合計特殊出生率の確定数)

「少子化対策と高齢化対策は、併せて総合的に考える必要があるのではないか」

最近は超高齢化時代を迎え、施設入所できなくなる高齢者の増加に備え「在宅ケア」の試行が始まりつつあります。しかし、医師や介護士が高齢者のお世話を常時できる訳ではなく、在宅での空白時間を誰がケアするのかが大きな課題となるものと心配をしています。高齢化対策が、少子化を進めてしまうことにならないような注意が必要と感じました。

2、第2回研究会のようす

8月の初回会議以降、全国各市へのアンケート調査を実施しておりましたので、全国的な子育て支援策を参考にし、また諸外国の成功事例も勉強しつつ意見交換が行われました。この会議で出された主な意見をまとめてみますと、ほぼ以下の通りに集約されます。

・子ども医療助成制度など、子育て支援策は都市間競争になじまない

・ナショナル・ミニマム(※3)として、日本の全ての子どもが同水準の子育て支援サービスを受けられる環境とすべき

(※3 「ナショナル・ミニマム」とは、国が国民に対して保障する生活の最低限度のこと)

こうした子育ての理想環境を創り出すために財源問題は不可避であり、今後は現行の「児童手当」の妥当性が議論されるものと見込まれます。そうした貴重な財源を活用した「必要とされるサービスを、必要な人たちに施す」という方向で、今後の議論が進むのではないかと思われます。

少子化対策・子育て支援に関する研究会

【少子化対策・子育て支援に関する研究会の様子】

・私の発言の要旨

「子育て支援サービスを全国的にどのレベルに集約させるのか」

「子ども医療の無償化」一つとっても、各市町村で対象年齢や手厚さは異なります。全国一律、どの年齢までを対象とすべきか。また、他にどんな子育てサービス水準の統一を図るのかという合意形成が重要となります。

「全国市長会の合意内容をどのように国へ働きかけるのか」

今後は、全国市長会に参加する813市区の意思統一を図り、気持ちを一つにして国へ訴えてゆく覚悟も求められます。大半の市区長が納得されるよう、この研究会での議論を広く周知していただくための活動も重要となるでしょう。どこのまちで生まれても、日本の子どもである以上、その子たちが同じ水準の子育てサービスが受けられるというのは、基本的人権にも関わる重要な問題だと思います。

3、「出生率1.75」を考える

安城市の出生率1.75は、この「少子化対策・子育て支援に関する研究会」の参加31市の中で2番目に高いことを知り、愛知県内でもかなり高い水準かと思っていました。

しかし、衣浦東部保健所管内6市(碧海5市とみよし市)の平均値は1.76と、安城市がこの地域で特別高い出生率ではないということに気がつきました。日本国民が望んでいるとされる「希望出生率」は1.8とされており、私たちの碧海5市はこの理想的な数値にかなり近い水準にあるということも分りました。

私たちの地域の比較的高い出生率の背景は何かを、子育て支援の担当者らとともに話し合ってみた結果、次のような理由が挙げられました。

・自動車関連企業が多く立地し、就労環境に恵まれている

・親の近くに若夫婦が暮らせる環境で、子育ての支援を得やすい

・医療環境が充実しており、安心して出産できる環境にある

・それぞれの自治体に財政力があり、子育て支援策が充実している

ヤコウdeサンバを踊ろう!

【ヤコウdeサンバを踊ろう!】

またこの地域でも、晩婚傾向が目立つような気がしますが、上記のような社会背景から、ご夫婦で3人以上の子どもを授かる多産傾向のご家庭が多いのではないかとも感じます。

条件に恵まれれば、複数の子どもに囲まれての生活を望まれるご家庭も多いのでしょう。今後は、こうした子どもを複数授かることが、生活上の重荷と感じられないような社会制度の設計をしてゆくことが求められます。引き続きさまざまな分析を行いつつ、全国市長会の会議を通じて私なりに日本の少子化に何がしかの貢献をしたいと願っています。

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