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更新日:2013年9月17日

健全財政のご報告(2013年8月)

安城市の平成24年度一般・特別会計の歳入歳出決算がまとまりました。各種会計の金額をあれこれ並べると、市民の皆さんにとってややこしい話になりますので、ここでは一般的な都市の財政規模とされる「一般会計」について、概略をご報告申し上げます。

安城市の財政概要

平成24年度の歳入(収入)と歳出(支出)の決算額は、歳入総額618億円と歳出総額574億4千万円となりました(百万円単位は四捨五入しました)。

よって、「歳入総額618億円-歳出総額574億4千万円=43億6千万円」となり、歳入歳出の単純な差引き額は43億6千万円となります。しかし、この差額の中には、目的を明確にして翌年度に繰り越すべき財源も12億2千万円ほどありますので、さらにこれを差し引きますと、「43億6千万円-12億2千万円=31億4千万円」となります。この31億4千万円を実質収支といい、安城市の場合は実質収支額分の黒字決算を結べたということになります。

現在は、国も地方もともに財政の大変苦しい状況に置かれており、国債や地方債という借金により行政運営が行なわれているという現実があります。実際、日本全国の789市の中で、財政的に自立ができず国から地方交付税という財政補填を受けている市が、全体の97%もあるという惨憺(さんたん)たる状況があります。こうした財政危機により、社会保障制度など全国民に不可欠な施策の継続が困難になってきており、消費税引き上げなどが議論されてきました。

しかし、このような全国の情勢にあっても、安城市はなんとか黒字決算が結べる健全財政が堅持できており、国からの財政補填を必要としない全国3%の優等な都市グループに入っております。これも、この地域のものづくりを中心とした民間企業の皆さん方の並々ならぬご努力のおかげと、心より感謝申し上げます。また私どもも、たゆまぬ行財政の自己改革を続けてきていることを付け加えておきます。

ちなみに、東洋経済社が発刊する「都市データパック」という冊子に、全国の都市の財政健全度ランキングがまとめられています。これによりますと全国789市の中で安城市は6位に評価されており、安城市の財政については「脱借金体質」と「弾力性・自主性」が高いという評価をいただいております。

基金(貯金)と市債(借金)の状況

安城市も、一般家庭と同様にある一定額の貯金を持っており、それを「基金」と呼んでいます。一方、金融機関からお金を借りてもおり、それを「市債」と呼んでいます。

基金の存在に関して、人によっては批判的な評価をされる方もみえますが、基金として積まれたお金は市長や市職員たちのものではなく、18万市民の共有財産なのだということを申し上げておきます。市民から納めていただいた税収は、基本的にその年に使い切るのが原則(予算単年度主義)ですが、景気の動向によっては剰余金が出てくることもあります。それを無理やり年度内に使い切るよりも、可能であれば基金として蓄えておき、見込んだ税収が入らなかった緊急時に取り崩して活用すべきと考えます。

過去、リーマンショックや東日本大震災の直後など、極度の経済混乱期には予測していた税収入が得られなかったため、この基金のありがたさというものをしみじみと感じさせられました。このように基金は、経済環境の激変期に公共サービスの低下を防ぐための手当の財源となります。また、民間企業の経済活動が委縮しがちな時代の財政出動は、地域経済の下支えにもなります。

他方、借金はできるだけ作らないことが基本です。しかし、世代間の税負担の公平性を確保する意味で、ある一定割合は借り入れるべきという必要性もあるのです。

現代は、転勤などによる人口の流出入が激しい時代です。現市民によって納められた税のみで公共施設を建設した場合、その完成を目前に安城市を離れねばならない市民からすれば面白くはないでしょう。また、その新施設が完成した直後に安城市に転入した人たちは、すでに転出した人たちの税負担により完成した施設の利便のみを享受できるということになるという不公平が生じます。よって、こうした世代間の不公平をなくす意味で、恒久的な公共施設の建設などでは、建設費のある一定割合について、長期の分割払いを目的に借り入れする必要性が生じます。

基金の積み立ても、市債による借り入れも、それが極端に過大なものになってはならないと思いますが、それらを全否定するかのような極論には大きな問題があります。物事を進めるにあたっては、何事にも適度なゆとりやバランスというものが必要であり、特に市民生活に直結する財政運営はその最たるものだと思われます。

実施事業

平成24年度の実施事業を、実施中の総合計画の6つの基本目標に沿ってまとめてみました。

1 安全で循環型社会を築く環境づくり

  • サイクリングイベント「ツールドじゃんだら輪」開催

サイクリングイベント「ツールドじゃんだら輪」開催

  • 住宅耐震改修補助事業の継続
  • 防犯カメラ設置補助制度の拡充

2 健康で安心して暮らせる環境づくり

  • 障がい者福祉施設の整備支援
  • ゆたか保育園改築工事着手
  • 安祥福祉センター工事完了

安祥福祉センター工事完了

  • 子どもインフルエンザ予防接種補助

3 自然と共生した環境づくり

  • 中心市街地拠点施設建設に向けての実施方針策定
  • 南明治土地区画整理事業地内の道路整備・建物移転
  • 自転車ネットワーク整備事業(市道大東住吉線の改良工事終了)

自転車ネットワーク整備事業

4 個性と文化を育む環境づくり

  • 全小中学校の普通教室への扇風機設置
  • 安城西部小の中規模改修、安城東部小・東山中のトイレ改修

安城西部小の中規模改修

5 活力に満ちた環境づくり

  • がんばる中小企業応援事業の継続
  • 設備投資に対する償却資産税の減税
  • 「安城プレミアムお買い物券発行事業」への経費助成

6 市民が主役となる環境づくり

  • 事業仕分けの継続

事業仕分けの継続

  • 公共施設長寿命化の公共施設建築物保全計画策定
  • 市役所本庁舎耐震補強工事の実施設計

以上、さまざまな事業を多くの関係の皆さんのご協力により実施できましたことに、心より感謝を申し上げます。

私の総括

私が市長に就任した平成15年度以降、10年間の基金と市債の総額推移をグラフとし、以下にまとめてみました。平成24年度については、基金総額約226億円、市債総額約194億円と、安城市では貯金が借入金をやや上回るという理想的な財政状況になっているのがお分かりいただけるかと思います。これは平成16年度から19年度辺りまでの「元気な愛知」と言われた恵まれた時代に、大胆な財務体質の転換が図れたことが大きな要因です。

市債基金残高推移

恵まれた時代に浮かれることなく、また深刻な時代にめげることもなく、基金と市債をうまく活用して、地方行政が地域社会の調整弁の役割を果たせるように心がけることが重要であると実感しています。これは各ご家庭の家計も同様で、日常生活での倹約を旨としつつも、給与や手当が大きく減らされるような時代にあっては、それらを緊急に貯金の取り崩しで補うことでしのぐ。市の財政については専門用語を使いますので、なにかしら難しい別世界のように聞こえるかもしれませんが、行政機関の財政運営も、家庭の家計のやりくりも、基本的な考え方について大きな違いはないと、私はそう考えます。

平成20年秋のリーマンショック、23年春先の東日本大震災、この他にもアメリカ合衆国でのトヨタ自動車へのバッシング、タイ王国での洪水、中国での反日運動など、この5年間ほどは想像もつかない様々な事態の発生が続き、国・地方を問わず産業も行政も荒波に揉まれてきました。こうした社会環境の激変に呑み込まれることなく、安城市民の皆さんの生活の下支えができましたのも、今振り返ればあの「元気な愛知」の時代のおかげです。あんな右肩上がりの恵まれた時代は、そうそう繰り返されるものではなく、社会全体が極端な躁(そう)状態に置かれたあの時代にあって、堅実な財政運営を認めて下さった賢明な市民世論に感謝申し上げております。

最近、アメリカのデトロイト市が、財政破たんをきたしたというニュースを見聞きしました。世界の自動車産業の象徴的な都市として栄華を極めた巨大都市も、産業の凋落(ちょうらく)とともに半世紀前の人口185万人から、現在では71万人と半減以下に減少し、各種行政サービスの極端な質の低下がさらなる都市としての衰退を招いているということでした。

日本でも電機関連企業の多い関西圏では、産業の低迷にともない都市財政のひっ迫が顕著になり始めています。大阪では維新の会のように、大胆な行財政改革を主張する勢力に勢いがあるのは、深刻な地域の経済や財政の低迷という社会背景があるからと考えられます。しかし、勇ましい行財政改革の断行は、その実施後、サービスの低下や料金引き上げといった形で、市民生活への痛みが生じる現実が待つことへの覚悟が必要になります。

それらを考え合わせれば、私は極端な行財政改革を必要とするような非常事態を創り出すことのないよう、平時の堅実な行財政運営に重きを置くべきであると考えます。選挙において、政治家が声高に行財政改革を叫ぶ社会より、生活の安定を約束できる社会こそが、真に幸せな社会なのだと思います。私は後者を目指しています。

安城市長 神谷 学

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