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更新日:2013年6月20日

成人へのことば

1月14日(月曜日)、デンパークで開催された安城市の成人式は、あいにくの雨模様でした。それでも晴れ着やスーツ姿の新成人がたくさん参加をし、例年通りの大変華やかな成人式となりました。

旧友との再会に沸く新成人

【旧友との再会に沸く新成人】

つい最近まで子どもとみなされていたのであろう若い彼らの大人としての晴れの門出であり、私は安城市を代表してどんなことばを投げかけてあげればよいのかと、今年もあれこれとお祝いのことばを考えるのに頭を抱えつつも、私なりのお祝いメッセージをまとめていました。

しかし、雨天のために式典会場は、当初の屋外ステージを避けてデンパーク内温室園とされました。旧友と久々の再会を果たした新成人の会話は弾み、温室園内ははしゃぐ若いこだまで満ちており、さて果たして私のメッセージはどこまで届いたのでしょうか。残念ながら「のれんに腕押し」のような主催者あいさつとなってしまった感がありました。

成人式でのあいさつ

【主催者あいさつの様子】

そんな訳で改めてここに、晴れて今年成人をお迎えになった皆さんへのお祝いのメッセージを掲載することとしました。以下、当日の私のあいさつをそのまま文字に置き換えてみました。

「新成人の皆さん、ご成人誠におめでとうございます。

昨年は安城市が市制60周年を迎えました。皆さんは20歳を迎えたということですが、ともに大きな節目を迎えられましたことを大変喜ばしく思います。

さて明けて今年は、安城のまちにゆかりの深い新美南吉生誕百年です。新美南吉は半田生まれの半田育ちで、29歳で亡くなっていますが、亡くなる直前の5年間を安城のまちで過ごしています。かつて安城のまちにありました安城高等女学校の教員として、安城のまちに下宿し通勤をしておりました。短い南吉の人生でしたが、そのもっとも輝いた青春時代の5年間を私たちのまちで生活していたということで、南吉にとって安城は第二の故郷といっても過言ではなかろうかと思います。

そんな訳で今年は半田市と協調して南吉を顕彰し、また南吉童話を多くの人にお読みいただく、そんな1年としたいと考えています。

さて新成人の皆さんも、南吉童話の「ごんぎつね」を小学校当時に読んでおいでのことかと思います。あの童話は新美南吉が19歳の時に発表されています。またもう一つの有名な「手袋を買いに」という童話は、南吉が20歳の時に発表されています。幼い頃から病弱だった新美南吉は、おそらく自らの命は長くないという自覚を持っており、そのため早い時期から精力的な執筆活動に努めており、短い生涯にもかかわらず優れた数多くの作品を残せたのではないでしょうか。

その南吉、生前中は今ほど世間に知られた存在ではなかったようです。しかし、彼が亡くなって数十年の後、彼の作品は社会的に大きな評価を受けるようになり、今では全国の小学校4年生の国語の教科書に「ごんぎつね」が掲載されています。また彼の作品は日本国内だけで評価されているのではなく、海外でも高く評価され、多くの子どもたちが南吉童話に親しんでいるそうです。

南吉の肉体は70年も前にこの世から消え去ってしまっていますが、彼のことばや精神は今もなお多くの人たちに読み継がれ、語り継がれています。

新成人の皆さんを含めた私たちは、自らの人生についていろいろな夢を抱き、またその夢の実現に向けて人生設計を描いて暮らしています。しかしそんな私たちも、万一の交通事故や大きな自然災害に遭遇しないとも限らない、はかない命とはかない身体で生きています。それだけに、いつ何が起きても悔いの残らないような日々を精一杯生きたいものだと思います。短い南吉の生涯に思いを馳せてみると、彼の人生態度など私たちは学ぶべきことが多くあるように思われます。

ところで新成人の皆さんは、新美南吉の作品は子どもの読み物と思っておいでのことでしょう。たしかに子ども向けのお話として優れたものが多いのですが、その作品の多くは彼が20代の時に書いたものであります。よって20歳の皆さんがお読みになれば、同世代だった新美南吉の複雑な思いや心の叫びが、彼の作品から読み取れるのではないかと想像をします。皆さんもぜひ大人の目で南吉童話を読み直し、新美南吉の心や彼の人生に思いを馳せてみていただきたいと思います。

最後に、新成人の皆さんが末永く健康で、社会のためにしっかり貢献できる大人に成長されますことを、心より祈りましてお祝いのことばとさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。」

来場した全ての新成人に、今年は安城市からのお祝いの品として新美南吉に関する小冊子が手渡されました。彼らと同世代だった南吉の作品に、新成人の皆さんが関心を持ってくれることを願っています。

                                                                                                                                                                安城市長 神谷 学

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