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更新日:2013年6月20日

人材を人財に

過日、公務員向けの全国誌の取材を受け、「人材育成」というテーマでインタビューに答えました。通常こうした市民向けの当ホームページに、人事等に関わる内部向けのメッセージは掲載しませんが、今回は「求められる地方公務員像」という視点から、私なりの考えをまとめてみました。

窓口で市民の方から相談を受ける市職員

          【窓口で市民の方から相談を受ける市職員】

今後の地方行政のあり方

平成初期にバブルが崩壊した後、近年もリーマンショック、東日本大震災等、次から次へと予測できないような事態が起きており、国民の生活が大きく変わりつつあります。小回りの利く基礎自治体(市町村)は、いざという時に住民のセーフティネットの役割を果たせるような組織を目指し、人材育成に努めるべきです。

過去に前例のないような社会現象が次から次へと起きている中、社会で具体的に今何が起きているのかということを直視し把握をして、市民生活にどんな手を差し伸べられるかということを自主的に考えて行動する地方公務員が求められます。

例えば、私たちの地域ではリーマンショックの後すぐに、「トヨタショック」という言葉が聞かれました。この地域は自動車産業で成り立っているので、その時多くの外国人就労者が解雇され、勤労者全般の所得は減り、生活の安定を求めて若いお母さんたちが勤めに出るという動きが起き、急に新たな就労や生活の支援や保育の必要性が生じました。

以上の社会環境変化は、私たち地域特有の事情もありますが、その状況にどんな対応をするのかという素早い判断が求められました。つまり職員個々が、与えられた仕事をこなす受け身の姿勢でいるのではなく、社会ニーズの変化に応えるべく能動的に仕事を考える姿勢を持つ必要性を痛感させられました。

求められる公務員像

地方公務員としては、役所の仕事は仕事として一生懸命やるのはもちろんですが、家に帰れば一市民、一介の生活者になるわけです。隣近所の人たち、町内の人たちが日常生活で直面する問題を肌身感覚で受け止められる姿勢や心がけを持って、いかにうまく地域に溶け込むかということにも配慮してもらいたいと思います。

PTAや消防団、或いは地域のボランティアなどには若いうちから積極的に参加してもらいたいものです。また現実的にそのような活動を通じて地域に溶け込んでくれている職員が多いと思われます。

本市では平成19年からごみ減量に努めてきていますが、市民にごみ減量の協力をしていただくのに、例えば各町内会の総会に市職員が出向き、具体的に新しい分別方法を解説するなどしてもらっています。これは、ごみ減量の理解を求めると同時に、地域のいろいろな人と話をして各地の事情・情報が聞けるチャンスでもあります。市民の理解や協力がなければ行政課題の真の解決にはつながりませんので、いかに市民と私たちが密接に関わっていくかを大事にしたいと思っています。

市職員が地域へ出向いて行う講習会

            【市職員が地域へ出向いて行う講習会】

また安城市では、他のまちでやっていないような事業をたくさん手がけています。特に土地区画整理事業のような、個々の権利が複雑に絡んでいる難しい事業も都市環境や防災という視点からやらなければいけないと考え、そこに力を入れています。土地区画整理事業というのは、自分たちから権利者のお宅へ出向いていって、相手の事情の理解に努めたコミュニケーションを通じて信頼関係を構築し、納得していただかなくてはならないというとても難儀な仕事です。

そうした困難の伴う事業を敬遠することなく、私たちはまちの未来を考えて新たな挑戦をしていますので、担当職員も大変だと思います。今後も職員には地域社会に溶け込み、より一層コミュニケーション能力を磨いてもらい、真に暮らしやすいまちづくりを進めてもらいたいと考えています。

区画整理事業を実施している自治体は今では少なくなり、ノウハウを理解している職員そのものも全国的に見て多くはいないと思います。区画整理事業は、特に東日本大震災の被災地などで新しいまちづくりに不可欠とされる事業ですが、本市のノウハウのある職員のような人材こそが、災害の多い時代に一層求められるようになるでしょう。

こうした区画整理事業を進める上では、法律の知識をある程度知っていなければいけない、加えてコミュニケーション能力がなければいけない、さらに土木に関する基本的な知識も必要とされるなど、都市基盤の整備には幅広い能力と識見が求められます。そんな苦労の多い仕事に関わることで、職員の人間性も資質もより磨かれて向上するものと期待をしています。

採用後の人材育成

本市は職員研修がかなり充実していると思っています。行政コスト削減が求められますが、私は職員の研修にかけるコストを「切る」と言ったことは一度もありません。本市では「政策課題研修」に特に力を入れています。これは、一つの課題を4~5人で研究しながら視察に行って、半年くらいかけて仕事の合間に研究しながら一つの報告書を作り発表するような研修です。

具体的な成果としては、「創意と工夫による職員提案」というある種のアイデアコンテストに、年間700件くらいの応募が寄せられるようになりました。私たちはISO9001を取得しており定期審査を受けていますが、近年、外部審査員が来られる都度、「職員がこんなに多くの提案を出してくる市役所を今まで見たことがありません」と驚いておられました。これも政策課題研修の効果の一つではないかと思っています。

また、当初の狙いは職員育成ではなかったのですが、いざやってみたら意外と面白いと感じている取り組みがあります。それは本市職員による「明るい話題づくり」です。これはトヨタショックなどにより民間企業が経済の激変に直面した折、私が市職員に対して、「公務員が率先して明るい話題を提供するようにしよう」と呼びかけたことから始まりました。こうした活動を通じて職場の話題も増えますし、社会奉仕により職員と市民とのコミュニケーションが図れることに気づきました。「明るい話題づくり」も、最近は定着してきたように思われます。

もちろん管理職のリードの手腕もありますが、ちょっとしたきっかけづくりで、多くの職員の気持ちが職場単位で盛り上がるのが感じられます。こうした自分たちで考えた活動で仲間を作り、地域に溶け込み、市民の皆さんとのよき交流が深まることを通じて、よき地方公務員に成長してくれることを期待しています。

                                                                                            安城市長    神谷  学 

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