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更新日:2013年6月20日

上を向いて歩こう 

作野小学校のマーチングバンド部は、昨年11月に大阪で開催された全日本小学校バンドフェスティバルで最優秀賞に輝き、また翌12月にさいたま市で開催されたマーチングバンド・バトントワーリング全国大会でも最優秀賞を獲得することができました。日本一の小学生マーチングバンド部といってもよいのではないでしょうか。

長年、全国大会での彼らのよきライバルは福島県南相馬市の原町第一小学校マーチングバンド部でした。しかし、原町小学校区は東日本大震災により地震・津波・原発事故の深刻な被害を受け、児童の大半は遠隔地に避難せざるを得なくなりマーチングは活動休止となりました。

それを知った作野小の児童らは、義援金や激励の手紙を原町小に送ったところ、原町小の児童らからは作野小のマーチングに、全国大会に向けての応援メッセージが届けられました。内容は「自分たちはもうマーチングの活動はできないけど、作野小の皆さんは私たちの分まで全国大会で頑張ってください」との内容であったとお聞きしました。

「活動できない原町小の子たちの分まで、自分たちが頑張ろう」と心に誓った作野小マーチングバンド部はその後、猛練習を重ねて同校では過去に例のない2つの全国大会での最優秀賞受賞が実現したのです。

彼らが選曲したのは故・坂本九さんの「上を向いて歩こう」でした。古い歌謡曲で小学生には馴染みがなかったのでしょうが、見事に自分たちのものにして立派な演奏にまとめてくれました。彼らの練習演奏を観る機会は2回ありましたが、うっかり上を向くのを忘れた私は、2回ともハンカチで目頭を押さえることとなりました。

作野小学校マーチングバンドパフォーマンス

 

3月初旬、作野小マーチングバンド部の児童らを安城市民の代表として南相馬市へ派遣し、元気な演奏をして来てもらいました。彼らにとっては、激励のメッセージを送ってくれた原町小の児童たちへのお礼の演奏披露となりました。

現地の原町小マーチングバンド部は未だ活動休止中でしたが、この日は日本一の作野っ子との合同演奏のために、避難中のクラブ員も遠隔地から駆けつけて全員集合してくれました。両校のマーチングの演奏が響く会場は、歓喜と拍手に包まれたとお聞きしました。また作野小の児童らも、被災現場を直接自分の目で見て歩くことができ、子どもながらも貴重な人生体験になったものと思います。

 

被災地支援もお金や物を送るといった初期の段階から、被災者の方々が前向きに生きてゆこうという気持ちになるような精神的支援へ切り替える段階になっているのではないかと考えます。実際、被災地隣接の町で支援活動をしておられる岩手県のある町長さんにお会いした時、「これ以上の金銭や物品による支援は、被災者の自立心を損ないかねないと感じられる」という率直なご意見をお聞きしました。

例えば、この作野小の児童らのような支援が、これから求められる心の支援の1つのモデルになるのではないかと考えられます。もちろん作野小のような高いレベルのパフォーマンスができる団体は、市内に数多くある訳ではありませんが、レベルの高さが問題とされるのでなく、被災地を思いやる気持ちが大切だと思います。

そんな訳で市としましては、被災地の方々の精神的な激励ができる市民の皆さんによる交流活動への補助制度を、新年度から始めてまいります。具体的には今回の作野小のような音楽活動やスポーツ、あるいは地域振興など、どんな形でも結構です。市内各種団体の皆さんに、ぜひご利用いただきたいと願っています。

東北の厳しい冬もそろそろ峠を越しました。春風と共に、多くの市民ボランティアの皆さんに東北の被災地へ出かけていただき、被災者を激励してあげていただきたいと思います。そして次の冬が到来するまでに、生活の再建が進むことを心より願っています。

作野小学校マーチングバンドパフォーマンス

 

                                                                                                安城市長    神谷  学 

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