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更新日:2013年6月20日

震災3か月半後、被災地からの報告

6月議会後の日程をやりくりし、6月25日から28日にかけて、岩手県と宮城県の被災地を訪問してきました。私にとっては4月初旬以来、2か月半ぶりの被災地訪問となりました。

この間、安城市からも多くの市民ボランティアの皆さんや市職員が被災地支援に励んでおり、現地では今どんな支援が求められているのか。それを確認するために、本市とご縁のある被災市町にお邪魔させていただきました。以下に6月末時点の各被災地のようすと、私の所感を記します。

岩手県の被災市町

大槌町

安城市の保健師がこの町で健康支援活動をしていたため激励に立ち寄り、町の復旧に向け陣頭指揮をとっておられる総務課長さんにお話をお聞きしました。

この町は町長が津波でお亡くなりになり、残された副町長もじきに任期切れで退任という事態が発生し、町の復興計画づくりは、新たな町長が選挙で決まってからという大変お気の毒な状態に置かれていました。

私たちが訪問した時点では、総務課長さんが中心となり復旧に向けて頑張っておられ、我々はこの課長さんからお話をお聞きしました。港に面した中心市街地の破壊ははなはだしく、町役場も破壊された状態でしたが、全半壊の建物はかなり撤去が進み、広大な更地と化しつつありました。

津波によって破壊された大槌町役場

今後は個人の利害や権利関係を調整し、新たな街を再生するという大きな困難の伴う段階に入っていきます。行政レベルで進められる作業は進め、新たな町長の政治的判断の下、早く本格復興を遂げたいという町職員らの期待が強く感じられました。

地元高校体育館の避難所も訪問しました。ここでは町職員OBが世話役となり、話し合いによるルールづくりと助け合いの精神により、よい雰囲気の生活が保たれているとお見受けしました。こうした小さな田舎町ならではの地方公務員への信頼と存在の大きさというものが感じられました。

大船渡市

安城七夕まつり実行委員会が、この町の七夕まつり実現のための支援を打ち出しており、町の被災状況と復旧の進み具合を確認する意味で立ち寄らせていただき、大船渡の戸田市長さんにお話を伺いました。

大船渡市戸田市長さんとの会談

戸田市長さんはかつて大手建設会社に勤務しておられ、その経験を生かした復興に向けての基本方針や計画立案など、かなり進んでいると感じられました。隣の大槌町は首長不在のため、町職員らによる復旧作業が進められるのみでしたが、大船渡市では市長のリーダーシップの下、被災した地域の復興をどう進めるかの具体的な計画がまとめられつつありました。

新たな市街地の復興や、住居の高台移転、それらに伴う区画整理事業をどう立ち上げるかが大きな課題となっていました。市内の海岸線は長く複雑なため、復興すべき地域は複数点在しており、加えて複雑な権利関係の調整等を考えますと、難題がいくつも立ちはだかっているように思われました。

それだけに戸田市長さんのことばからは、財源や法律面での国の支援に対する期待の大きさが強く感じられました。

宮城県の被災市町

七ヶ浜町

私たちの訪問時、安城市社会福祉協議会が市民ボランティアを七ヶ浜町に派遣しており、具体的にどんな活動をしておられるのかとボランティアセンターにお邪魔しました。

この町では仮設住宅への入居がスムーズに進んでおり、ボランティアの活動の場は、避難所から仮設住宅エリアへと移りつつありました。

ボランティア参加者に求められることは、がれきの撤去といった力仕事だけではなく、仮設住宅への生活支援物資の配布、悩み相談、草刈りなど、きわめて多岐にわたっており、若者の力だけでなく、老若男女さまざまな能力が必要とされていることがよく分かりました。

海外を含めた各地からのボランティア参加者は日々大きく入れ替わるため、ボランティアによる支援を進めていく上での大きな課題は、どれだけの数の参加者に何をしてもらうのかという、毎日の労力の割り振りにあると感じました。

ここでは愛知県に拠点を持つNPO団体が毎朝、全ボランティア参加者を集めて、適材適所のグループ分けと支援活動の事前説明を行っており、こうしたコーディネート役の重要性が確認できました。

ボランティアセンターでの支援活動事前説明

山元町

3月から4月にかけて、衣浦東部(碧海5市)の消防隊員が救助活動を行っていた亘理消防本部が所管するのは、亘理町と今回私たちが訪問した山元町の2町です。私たちの地域の消防隊員の他、自衛隊豊川駐屯地の部隊がこの地域で長期にわたる活動をしていた関係で、「愛知県から来た」というだけで、住民から感謝のことばが返ってきて嬉しかったのが山元町でした。

斉藤町長さんは宮城県の防災担当部長を務めた方でした。もともと危機管理のあり方に明るく、被災後の早い段階で自衛隊との連携がうまく取れていたようでした。4月初旬の視察で目にした、海岸沿いの集落に散乱していたがれきは、この時期までにかなり片付けられていました。

遠浅の砂浜が続く海沿いは、以前は防潮堤以外に津波を遮る障害物がありませんでした。そのため、今後はしっかりした防潮堤を復活させることに加えて、新たに土盛りの道路や鉄道を建設することで、内陸への津波被害の軽減ができる町づくりを考えておられました。人工構築物の多層化により、いかに減災できるかが、新たな復興計画での大きな特徴でした。

この町でも復興への重要なカギとなるのは、国の財政的な支援と、早期の復興関連法案の成立と感じられました。被災地は一日も早い、その回答を待っておられるように思われます。

 

いくつかの被災地を訪問してみて、散乱していた大量のがれきがよく片づけられていることに驚きました。被災者の皆さんのご努力と、支援に当たられた方々のご尽力の賜物でしょう。まさに「継続は力なり」です。

また今回訪問した各被災地では、被災者はおおむね7月中に避難所から仮設住宅に移ることが可能とのお話でした。津波による大混乱から、とりあえずの安定を取り戻したように見えますが、仮設住宅での生活はあくまでも仮の住まいに過ぎません。

まだ十分な復旧にすら至っていない段階ですが、被災した方々は気持ちを立て直され、近い将来の復興を夢見て希望をつないでおられます。また現地では、自らも被災者である役所職員が、精一杯の努力を続けておられることも実感され、本当に頭の下がる思いでした。

こうした地方の政治・行政の精一杯の努力に対し、国政レベルの大きな政治が応えるべきでしょう。「なでしこジャパン」の活躍のように、世界の大きな注目と期待に対して成果の出せる、頼りになる国の政治が切望されていると痛感されました。

                                                                                                   安城市長  神谷  学

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