市長のページ

ここから本文です。

更新日:2013年6月20日

被災地での祈り

4月4日(月曜日)から7日(木曜日)の4日間で、宮城県の複数の被災地に出かけてきました。安城市の職員が、石巻市で水道の給水活動を支援しており、また亘理町の消防本部では、衣浦東部広域連合の消防士が交代で救助活動を継続しております。彼らの激励と、被災者の方々に生活必需品等の不足はないかどうかを確認してきました。訪問した自治体は、石巻市、女川町、七ヶ浜町、亘理町、山元町の1市4町です。

被害の状況はテレビ等でご覧の通りで、海岸沿いの市街地や農村集落は壊滅的な状態のままで未だに多くの方が行方不明ですが、幹線道路は車の通行ができるようになってきており、被害の少なかった地域から電気・水道などライフラインが回復されつつありました。また、スーパーマーケットやコンビニ店などには新しい商品が並べられ始めており、多くの方が避難所生活ながらも、徐々に生活のペースをつかみつつあるといった状態でした。

今回の災害の特徴は、大きな地震であったにもかかわらず、揺れによる構築物の破壊は想像よりも小さく、被害のほとんどが巨大な津波による破壊という点にあります。東日本全体の死者・安否不明者の総数は、私たちの訪問当時で約3万人。また避難所で生活を送る方の数は、16万人近くもおいでになるという状況でした。

 

女川町被災状況(町役場)

 

本当に多くの方々が亡くなられましたが、この中には命を懸けて住民を守った公務員も数多く含まれています。

町の職員として防災庁舎から住民への避難勧告の放送を続け、津波に飲み込まれた若い女子職員が新聞に紹介されていました。この他にも子どもをかばい続けた学校の先生たち、地域住民を守るために災害の最前線に立った市町村職員、消防士、警察官。この他、患者の避難に全力を尽くした福祉・医療の関係者がおいでになられます。

住民の生命と地域の安全を守り抜くため、被災地の公務員の皆さんが身を賭して職務を全うされ、残念ながら多くの方が殉職されました。こうした献身的な活躍をされた方々のご冥福を、心よりお祈り申し上げました。

平穏な時代には公務員の仕事の本質が理解されにくく、公務員バッシングを甘受せねばならないことも多いのですが、災害等の非常事態では「公務」の重さを痛感させられます。

お会いした町長さんや役場職員らが、昼夜を分かたぬ頑張りをみせておられましたが、彼ら自身もその多くは津波で家屋やご家族を失った被災者でした。発災以来3週間ほどが経過していましたが、一度も家に帰ることなく被災した市民のお世話や復旧活動に努めておられました。非常時の公務員の宿命とはいえ、個々のご事情をお聞きすると頭が下がります。こうした公務員の鑑(かがみ)のような方々により、日本の社会が守られているのだと再認識させられました。

 

七ヶ浜災害対策本部(副町長)

 

東北の被災地で祈る間、色んなことが脳裏をかすめました。

人間、一人一人の立場に立てば、人の生命も人生も大きな重みや意味を持つと実感されます。しかし、大自然に抱かれたマクロの視点に立てば、人間の存在がいかに小さなものであり、また人生ははかないものであるかを思い知らされました。

このように個々の人間の存在は小さく、またはかない人生にも思われますが、それでもそのささやかな人生に何がしかの意義を持たせることができるとすれば、いかに社会のために貢献できたか、いかに多くの人のためにお役に立てたか。そのことが一人の人間の真の評価につながるのではないかと、私はそう考えます。

「人事は棺(ひつぎ)を蓋(おお)いて定まる」ということばがあります。人生の真の価値は、棺の蓋を閉める、その瞬間に決定されるという意味です。西日本で平穏に暮らしている私たちにも、真に価値のある生き方やあるべき社会の形について、深い自省が求められていると感じました。

私たちの地域にも、東海地震などの大きな災害はやって来ます。いざというその時、一人の公務員としていかに職責を全うすべきか。特に安城市長の私は、いざという時の覚悟について、日々、自問自答を迫られています。

 

ところで、プライバシーの保てない避難所での暮らしは苦痛のようで、多くの被災住民が仮設住宅への入居を望むものの、建設資材の不足からほとんど希望に応えられていない状況でした。さらに仮に仮設住宅が行き渡ったとしても、本格的な生活再建を考えると、従来のような生活基盤・産業基盤をどう復興させるかということに行き着き、東日本の本格再生にはかなりの歳月と莫大な国家予算を要するであろうというのが私の率直な感想です。

「とりあえずの暮らしは成り立ちつつありますが、どうか息の長いご支援をよろしくお願いします」という現地の声をお聞きしました。同情による一時的な支援ではなく、理性による継続的な支援が必要です。

安城市は東日本の復興がかなうまで、長期にわたる被災地支援を継続します。どうぞ市民の皆さんもご協力ください。

 

 過去のメッセージを読む

お問い合わせ

企画部秘書課秘書係
電話番号:0566-71-2201   ファクス番号:0566-76-1112