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更新日:2013年6月20日

私のおすすめ本

「秋の日はつるべ落とし」ということばがあります。実際、秋分の日を過ぎて以降、ずいぶん夜が長くなってきたという印象があります。秋の夜長の過ごし方はいろいろでしょう。読書の秋、芸術の秋、落ち着いた夜半の過ごし方を考えてみたいものです。

紅葉の昭林公園

 

さて、聞きなれない話かもしれませんが、国会決議により今年は「国民読書年」とされています。また安城市にとっては、市民の皆さんにご利用いただいている中央図書館の開館25周年の年でもあり、この秋、本に親しむ周年の催しが開催されました。

私は、基本的に本を読むのは大好きです。子どもの頃、病弱だった私は、かぜをひいたり、それをこじらせて肺炎、気管支炎を患った経験があります。長期の療養生活もあり、家の中で静かにしていなければならない時間、本を読むことに楽しみを見出すようになりました。

小学生の頃は昔話や、未来社会を描いたSFの話。中高生では推理小説や実用的なハウツーもの。そして人生の壁に当たった大学時代は、人生論・恋愛論から哲学・宗教まで、幅広く読みあさった記憶があります。社会人となり、農業専修学校で教員を務めていた頃は、自然科学から社会学。その後、地方政治の世界に身を置いてからは政治や経済の分野などと、ふり返ってみれば私の読書歴にはほとんど脈絡はなく、その時自らが求める本を手当たり次第に読んできたという気がします。

暇を持て余して娯楽として読む本もありますが、何かを求めようとする真剣な読書という行為は、著者の頭脳を一時的にお借りして、貴重な学びをさせていただいているようなものだと、私はそう考えています。それだけに子どもや若者たちには、良い本に出会ってもらうために、いろいろな本を紹介できる環境づくりが大切なのではないかと思っています。

中央図書館で本を探す人

 

中央図書館開館25周年に当たり、市長の読んだ本の中でおすすめの本を紹介して欲しいという企画がありました。読んだ本は幅広く多数あり頭を痛めましたが、若い人たちにすすめるという意味で、面白く読むことができ、しかもずいぶんためになった遠藤周作さんの著書「愛情セミナー」を紹介させてもらいました。私が紹介理由として記したコメントは、以下の通りです。

「男女間の愛情について悩んでいる人、また異性の気持ちや立場を真剣に理解しようとする人にお勧めしたい一冊。誰でも人生で一度くらいは恋愛に悩み、まじめにそれを考えてみたい時期がある。しかし、難解な哲学書を読むのは、大変な苦痛がともなう。さりとて、流行歌の歌詞に流されるような割り切りもできない、そんな人にお読みいただきたい。遠藤氏独特の人間観と哲学的な考察による珠玉の一冊。」

人生上のさまざまな出来事で大切なことは何なのでしょうか。それは人それぞれ異なるものと思われますが、例えば「仕事」は、就学後の就職から退職まで、約40年間にわたり人生に影響を及ぼすといえましょう。一方、「結婚」は長寿社会においては、半世紀以上も人生への影響を及ぼし続けることがあります。人生上どちらの出来事がより重要なのかの判断は難しいのですが、正しい異性観やしっかりとした結婚への心構えを持っておくことは、きわめて重要なことなのではないかと、私は以前からそう考えています。

以前、ドイツから日本にボランティアに来ていた若者と会話した時、「あなた方、ヨーロッパに暮らす人たちは、結婚してもじきに離婚される傾向が強いようですが…」と口にしたところ、「今の日本の若者たちも、すぐに離婚をするではないですか。同じことですよ」とやり返されてしまい、赤面した記憶があります。

夫婦の葛藤や子どもへの虐待など気の毒な事件が報道されると、ふと結婚前の若いカップルがこうした優れた愛情論を読んでいたなら…と、そんな無念さが脳裏に浮かぶのです。男女共同参画の時代、異性の気持ちや立場を理解することが、とても重要になっています。そんな観点からも、おすすめしたい一冊といえます。

最後にもう一冊、今から5年前、図書館開館20周年におすすめした本も紹介しておきます。三浦綾子さんの著作「塩狩峠」です。ここで内容の詳細までお知らせできませんが、秋の夜長、お時間があればお読みいただきたいもう一冊です。

 安城市長 神谷 学

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