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更新日:2013年6月20日

企業訪問

9月に入ってからの日々、定例市議会の日程を縫って市内の企業訪問を続けました。中小企業が中心でしたが、その取引先である大手の企業も数社ほど訪問し、各企業の経営状況や景況感、さらに雇用状況をお聞きして回りました。

私にとっての企業訪問は、市長に就任して以来、今回で3回目となります。1回目は平成17年、この時の目的は主な市内企業の業務内容を知るということで、41社の企業で経営概要をお聞きした後、仕事の現場を見せていただきました。

2回目は今年の2月・3月、目的は世界同時不況後、急変したといわれていた雇用情勢や経営状況を把握することで、12社を対象に緊急に実施しました。この時の企業からの聞き取りにより、今年の6月補正予算において「中小企業緊急雇用安定補助金」の開始や「信用保証料補助」の充実、さらに「ホームヘルパー資格取得助成事業」など、新たな雇用創出のためのさまざまな取り組みを始めることとしました。

よって今回が市長就任後、3回目の訪問となります。この度の目的は、これまで国や地方自治体が新年度予算や補正予算などを通じて、さまざまな形で経済対策を講じてきましたが、その効果がどのような形で現れているのかを確認することにあり、もし至らない面があれば新年度に向けての予算編成で、新たな施策を盛り込もうと考えてのものです。

最近の経済情勢や雇用環境について私自身は、国の統計速報やマスコミ報道でおおよそ理解をしているつもりなのですが、それらの情報はマクロ的な視点のものが大半で、市内状況の詳細が把握できるものではありません。もちろん安城市でもさまざまな統計をとっていますが、変化の激しい時代にあっては、1年前、半年前の数値が意味をなさないという現実があります。「百聞は一見にしかず」ということで、合計15社の事業所を訪問し、責任者の方々から貴重なお話を伺うことができました。

 

市内のある工場内

 

市内企業の経営状況は実にさまざまで、経営が最近になって急速に改善された企業があれば、まだまだ低迷状態から抜け出せていない企業もあります。訪問した企業は、この地域の基幹産業である自動車関連企業が多いのですが、同じ分野の業種であっても経営内容は企業ごとに斑(まだら)模様をなすといった印象を受けました。

国が打ち出したエコ・カー購入促進策のおかげで、電気モーターを併用するハイブリッド・カーを中心に売り上げが伸びたため、この関連機器を製造する企業は業績回復が早かった一方、別の車種の部品を製造する企業は未だ経営的な苦境から抜け出せないという状況でした。また低価格の小さな排気量の自動車が売れ筋なので利益率が低く、以前のような経営水準に戻っていないという企業が殆どでした。それでも春先には多くの企業で操業率が30%から40%にまで落ち込んだものの、現在は70%台までの回復が見られているといった状況にあり、明るい兆しは見え始めているようでした。

しかし、現在のエコ・カー購入促進策が来春には打ち切られると見込まれることが、いずれの企業にとっても大きな不安材料であり、そのために新たな雇用や投資を控えざるを得ないといった共通の悩みがあるようです。仕事が忙しくなり始めているのに、新たな人員の採用を控えねばならないという経営側の苦悩があり、これが景況回復にも関わらず有効求人倍率が回復しないという現象の背景にあるということを知りました。

経営の黒字化への見通しが立たず、収益に応じた法人市民税を納められないことに対するお詫びの言葉を、何社もの企業で耳にしました。納税は憲法に定められた義務とはいえ、長年にわたり多額の税を納め続けて来られた過去のご苦労に、改めて頭の下がる思いがしました。一日も早く経営改善が実現することをお祈り申し上げています。

来春以降の明るい見通しが立てば、企業の経営改善と雇用安定が実現し、地域社会が安定するのだということが理解できました。市レベルでできることは限られていますが、私たちにできる地域の産業振興策というものを、来年度予算編成の中で考えていかねばならないと痛感しました。 

 安城市長 神谷 学

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