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更新日:2013年6月20日

春を待つ心

冬至を迎え、日が短くなってきたのが実感としてとらえられる季節になりました。しかし、今が暗夜の最も長い時期ということは、これから日照時間は長くなるばかりで、明るい季節に入る転換期を迎えたということになります。実際、古代のローマでは冬至の時期に、太陽神の復活を祝福する風習があったということです。

暗くなるところまで暗くなってしまえば、あとは明るくなるしかない。そう考えれば、現在の世界的な同時不況に関しては、一日も早く景気が底を打つことを願うばかりです。中途半端な景気の回復に満足して、再度の下降局面に直面することがないようにしたいものです。

ただ、私たちの地域でも、この最も暗い時期をしのぐことができない人たちが出始めています。西三河地区の有効求人倍率は1.37(10月末現在)とされているものの、年末が近づくにつれて安城市役所に、急に仕事を解約された方々から生活保護の受給や公営住宅への入居についての問い合わせが来るようになり始めました。

こうした方々には、なんとか温かな環境で年末年始をしのいでもらい、新しい年と同時によき落ち着き先を見出してもらいたい。そう考えて12月中に保健福祉部を中心とした、市役所横断的な生活支援検討チームを発足させました。

安城市役所では年末休みに入ってからでも、生活相談に関して輪番制で担当者を決めて対応を図っております。急に職を失ってしまった方におかれましては、どうか寒い路頭に迷うことなく、ぜひ当面の生活等についてご相談ください。

暗いニュースの多い時期でも、子どもたちには夢を。副市長や市議会議員とサンタになり、市内の保育園・幼稚園へプレゼントを配りました。

さて、このような厳しい時代の中、平成21年度の当初予算の編成作業を進めています。安城市はこの5年間ほどの好景気の中で、市債(市の借金)を減らし続け、基金(市の貯金)を増やし、財政の健全化に努めてきました。おかげをもちましてこの厳しい時代でも、当面は耐えられるだけの体力を備えることができました。しかし、この地域の企業収益は私たちの予想を超える悪化となっており、来年度以降しばらくの間、かなりの法人市民税収の減額となりそうです。

安城市の財政健全を第一義に考えれば、当然のことながら21年度の予算は緊縮予算にならざるを得ないのですが、市の財政が引き続き健全性を堅持できたとしても、市内の企業の倒産や失業者が続出するような状況になるようなことがあれば、いったい何のための健全財政なのかということになりかねません。

そこで、厳しい世相にあっては、地域の産業振興を目的とする一定の公共投資が不可欠と考えます。財政の健全性を確保しつつ、どこまで積極的に公的な投資ができるのか。都市経営について、総合的な判断力が問われる局面を迎えたと受け止めています。

市町村レベルの地方自治体にできる経済対策は限られますが、それだけに厳しい時代の公共投資については、限られた予算を経済波及効果の最も高い施策に集中させてゆく必要があると考えます。

私は昭和62年に市議会議員初当選をして以来、市議として16年、さらに市長として6年、合わせて22年間の地方政治の世界での経験があります。したがって平成バブル期の市政の動向も、バブル崩壊後の地方財政による景気浮揚策のあり方についても、一人の当事者として悩み考え続けた貴重な体験を持っています。

過去の経済激変の時代を振り返りながら、下降局面での最善の行財政運営についてじっくり考える正月休みとし、その成果を新年度予算編成に生かしてゆくつもりです。暗いニュースの多い時期ですが、今を夜明け前ととらえ、明るい時代への転換を図りたいと思います。

安城市長  神谷 学

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