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更新日:2013年6月20日

オーストラリアの姉妹都市

オーストラリア・ホブソンズベイ市(ビクトリア州)との姉妹都市交流が、今年で20周年を迎えました。私は20周年記念派遣団の団長として10月14日から21日の1週間、姉妹都市ホブソンズベイ市に出かけてきました。滞在中(16日から20日)は団員15名全員がホームステイをし、ホブソンズベイ市民の皆さんと密度の濃い時間を過ごすことができました。

ホブソンズベイ市国際親善協会主催のブッシュダンス・パーティー

ホブソンズベイ市を代表する方々が出席した公式の記念式典では、両市の地元芸術家の作品を交換し、貴重な周年の記念品を持ち帰ることができました。またブッシュダンス・パーティと呼ばれる地元の国際親善協会が主催するダンスパーティを企画していただき、慣れない異国のフォークダンスでしたが、15名の団員は旅の疲れも忘れて即興ダンスを楽しみました。知らず知らずのうちに多くのホブソンズベイ市の方々と手をつなぎ、肩を抱いて踊るうちに、国や人種の違いを超えて人と人とはこんなに打ち溶け合えるものかと、不思議な気持ちにさせられました。

こうした公式行事以外では、ホームステイでお世話になったご家族の方々に終日温かなお世話をいただけたのも、20年という長い歳月の中で培われてきた友好の絆のお陰ということを、肌身で感じることができました。

ホブソンズベイ市の公式レセプションでの記念写真。ビルバーリーに市長と派遣団員一同

安城市とは20年という長い友好の歴史を持つホブソンズベイ市ですが、私がこの町を訪問するのは今回が初めてです。しかし、もう一方のアメリカの姉妹都市ハンチントンビーチ市にはすでに訪問したことがあり、両市の共通印象として感じたのはいずれの都市も立地条件がよく似た素晴らしい町だということです。

ホブソンズベイ市はオーストラリア東南部の大都市メルボルン市の近郊にあり、またハンチントンビーチ市はアメリカ西南部の大都市ロサンゼルス市の近郊に位置しています。共に美しく長い海岸線を持ち自然景観に恵まれているのみならず、ヨットやサーフィンの愛好家が集まる保養地のような静かな町で、経済的に恵まれた人々が多く住む点も共通しています。

人口はホブソンズベイ市が約8万人、ハンチントンビーチ市が約20万人。面積は両市共に安城市とほぼ同じ広さです。人口18万人の本市がまちづくりや行政サービス面で参考にできる都市規模であり、いろいろな都市施設を視察させていただくだけでも意義があると感じられました。

ただ、ホブソンズベイ市の場合、人口で比較した財政規模は非常に小さなもので、一口に市といっても行政サービスの質・量などの面で、国によって大きく異なることを知りました。ホブソンズベイ市の人口は安城市の2分の1程度なのに、財政規模は約6分の1です。市民生活の安全安心(消防・警察)と子どもの教育(小中高)をほぼ全面的に州に頼るしかないホブソンズベイ市では、市議らが自らの市行政の限界に不満を持っていることが、彼らとの会話の中で感じられました。

オーストラリアはかつてイギリスの植民地でしたが、その後ゴールドラッシュなどでアジア系の移民も増え、建国100年少々たった今、まさに多様な人種のモザイク社会の様相を呈しています。例えばビクトリア州にはギリシヤ、ユダヤ系の移民が多いようですが、私のホームステイ先の60歳近いご主人の祖父はイタリア移民でしたし、奥さんの祖父はスコットランドというように、様々なルーツを持つ人たちがごちゃ混ぜになって地域社会・国を形成しているといった感があります。こうした地域社会のため、市議会には様々な生活習慣、宗教、価値観からくるトラブルが持ち込まれることが、日本よりかなり多いように思われました。

ホブソンズベイ市の港。週末は観光客でにぎわう

さらに「オーストラリア人は8年に1度の引越しをする」と言われるほど住む場所をよく替えるため、地域の中で日本社会のように濃厚な近隣関係を築くことは極めて難しいのではないかと思われます。この点は安城市内でも転勤族の多いエリアで、町内会の付き合いが成立しにくいことでは同様でしょうか。

しかし、近隣のお付き合いが希薄になりがちとはいえ、家庭が社会から孤立しては生きて行けません。そこで「子どもの同級生の親同士」、「子どもを安城市でホームステイさせた親同士」、「趣味が同じ者同士」、「職場で気の合う仲間同士」など多様な切り口で、ネットワークが構築されていると感じられました。人口の出入りの多い本市でも、新たな地域社会ネットワークを模索するに当たり考えさせられる社会現象と受け止めました。

いずれにしてもわずかな日数の姉妹都市滞在ですので、私自身にはまだまだ未知の側面が多く残ってしまいました。今年の9月からホブソンズベイ市役所に若い安城市職員を3か月間滞在させ、多文化共生や環境政策などを勉強させています。彼が帰国した後、姉妹都市の社会や行政についてさらにいろいろ聞きたいと楽しみにしています。また来年はホブソンズベイ市役所の職員が来安され、安城市役所で3か月勉強をされます。様々な立場の市民の交流と情報交換を継続させて、よりよい地域社会の構築が両市で進んでゆくことを願っています。

安城市長  神谷 学

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