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更新日:2019年4月15日

市長のときどきブログ下学上達

最近の出来事の感想やちょっとしたコメントを書いています。
これまでの「月曜のひとこと」と「今月のメッセージ」から変更します。

2019年4月15日

出発のメッセージ

新年度が始まり、新しいスタートに当たってのあいさつを求められます。その時代、その世相にかなったメッセージをお伝えすべく、5期目のベテラン市長と言われる今も、市を代表してのあいさつには頭を抱え、苦悩の日々を送っています。このような状況の中から生み出した新年度の市長あいさつの一部を以下に書き出してみました。私の政治姿勢の一端をご理解いただければ幸いです。(要点のみの抜粋で、一部省略等もあります)

4月1日 定例幹部会議「みらいへの投資と改革」

新年度、そして新体制を迎えたからと言って、私たちが取り組む政策課題が大きく変わるということはありません。まず、これまで取り組んできた「ケンサチ」ですが、それは子どもから高齢者まで全ての世代が、「健やか」に暮らし「幸せ」を実感できる地域社会の未来イメージであり、5つの要件(健康、環境、経済、きずな、こども)を核としてより強固に推し進めてまいります。

また「2025年問題」が喧伝されてきましたが、間もなく団塊世代が75歳になっていかれます。これまで各町内会でまちづくりの担い手だった方たちが、支援を必要とする側に徐々にシフトします。併せて今後は、インフラ・公共施設の老朽化対策もかさむことから、市財政の硬直化が進むものと見込まれます。一方、生産年齢人口の減少は進み、地方の財源偏在是正のための税制改正などにより、税収は今後、右肩上がりで伸びるとは考えにくく、近いうちに頭打ちになるのではないかと予測されます。

このような将来を展望しますと、元気な未来のためには、それに向けた「みらいへの投資」が不可欠であり、私たち自身の意識改革と業務改革とも言うような対策が必要になると考えます。

4月1日 安城市教職員新任式「学校でのケンサチ」

本市の目指す都市像は、健やか幸せを意味いたします「健幸都市」であり、「幸せつながる健幸都市・安城」の実現を図っております。この計画で目指す健幸(ケンサチ)な生活実現のために重要な要件は、「健康」、「環境」、「経済」、「きずな」、「こども」の五つに集約されると考えます。この五つの要件をいかに充実させてゆくのかを安城市政全体で考え、市民の理解をいただきながら具体的な取組につなげてゆきたいと思います。

学校教育に携わる皆さんにおかれましても、どうか子どもたちへの教育を通じてこの五つの要件の充実を図っていただきたく、よろしくお願い申し上げます。まずは、先生方ご自身と子どもたちの健康にご留意いただき、環境学習などを通じた地域の環境美化にご協力いただければと思います。そして児童生徒らや保護者、地域との絆をしっかり構築していただき、子どもたちの将来的な自立に導いてあげていただきたいと思います。

4月12日 民生委員・児童委員協議会総会「セーフティネットを生かす」

最近は子どもや高齢者への虐待も社会問題化してきており、深刻な事件が新聞・テレビで報道されるようになってきまして、心を痛めています。こうした立場の弱い人たちへの虐待は、バブル崩壊、リーマンショック、さらに頻発する自然災害などによる経済環境の激変も影響しているのではないかと思います。

企業の倒産やリストラ、過大な到達目標、それらによる保護者の精神ストレスが家庭不和や家庭崩壊につながり、立場の弱い人たちにそのしわ寄せが及ぶということもあるのではないかと想像いたします。

しかし、だからと言って悲しい事態が発生することのないように、福祉によるさまざまな支援策があることを知っていただき、支えあい助け合うためのセーフティネットを生かさねばならないと考えます。

民生委員・児童委員協議会総会

4月12日 安城市教育研究会総会「日本を支える安城教育」

現在の日本国内では過疎と過密が同時進行しており、様々な問題を孕んでいると感じられます。しかし、仕事があり安定した生活が見込める地域への人の流れを押し止めることはできません。都道府県や国と連携した問題解決の必要性を痛感しますが、人口減少が続く日本社会にあって、今なお人口が増え続けているこの西三河地域は、自動車産業を中心に、今や日本経済のエンジンとなっているものと、私はそう理解しています。

私自身はそんな誇りと使命感を持って、地域の発展を考え、時代にかなった政策を立案し推進することを意識しています。少し大げさに聞こえるかも知れませんが、現在の日本の国を支えてくださっているのは、このまちに働かれる勤労者の皆さんであり、これからの日本の未来を切り開いてゆくのは、このまちに暮らす若者や子どもたちに他ならないとも思っています。

そんな本市の置かれた状況をご賢察いただき、先生方にも国家を支える一員という誇りと使命感を持って働いていただきたいと願っています。もちろんそうした皆さんのプライドを支えるために必要な本市の教育環境整備を進めねばならないと考えています。

安城市教育研究会総会

4月12日 安城市土地改良区理事会「農を知ってもらう」

農林業センサスによれば、農業が盛んと言われる安城市ですら、平成27年の農家戸数は専業・兼業合わせて2,028件であり、今や総世帯数の約75,000件から見れば、わずか2.7%に過ぎません。このため非農家からは、野焼きや農薬散布など農作業に対する苦情が頻繁に出されるようになり、農家の皆さんも大変お困りになるケースが増えてきているようにお見受けしています。

よって、地域でのこうした摩擦を解消してゆくためには、多数派である非農家の方々に、いかに農業や土地改良の意義を理解いただくかが重要になっていると感じていました。そして、その1つの有効なPR方法としてプラネタリウムという子どもらの学習の場で、映像を通じて地域農業に対する理解を深めてもらうということを思いつきました。

もちろんプラネタリウムではなくても、通常の市政映画でもよいでしょうし、また印刷物を通じてでもよいと思いますが、全国的にもっと意識していろいろな方法で農業をアピールせねばならない時代となっているのではないかと考えます。

 

さまざまな場での私の市長あいさつですが、聞き流してしまわれる方が大半ではないかと想像はしています。しかし、いざ話す立場になりますと、どなたがお聞きになられても恥ずかしくない内容を…と身構えてしまい、そのために苦悩することになります。市長としての17年目の春も、精神的なプレッシャーに苦しむ日々を送っています。

2019年3月25日

平成31年度当初予算

平成31年度当初予算が、安城市議会3月定例会で認定されました。本市の新年度当初予算は、編成時に市長選を控えておりましたことから「骨格的予算編成」としましたので、新規事業や政策的事業の一部は6月補正予算での対応としています。

平成31年度当初予算の規模としまして、一般会計は、前年度比0.3%減の672億9千万円としています。以下、市民生活に直接かかわる、今年度の主な事業をご紹介申し上げます。

一般会計の目的別構成比では、福祉関連の民生費が37%と最も高く、2番目に高いのは土木費の16.3%、3番目は教育費で15.8%となりました。民生費は、民間保育園の新設に伴う委託料や補助金が伸びたほか、養護老人ホームの改修費補助などにより前年度から5億円余の増額となりました。

土木費は、南明治土地区画整理関連事業費や名鉄新安城駅と南桜井駅の改修に係る負担金などが伸びました。しかし一方で、榎前地区工業団地関連事業における道路整備事業費のほか、安城桜井駅周辺特定土地区画整理事業特別会計への繰出金が減額となったことなどにより、前年度から10億円余の減額となりました。

教育費は、小中学校における教育情報環境整備を進めるほか、スポーツセンターや歴史博物館の改修費などにより、前年度から2億円余の増額となりました。この他の具体的な事業について、第8次総合計画で掲げております5つの要素「5K」に沿って、以下にまとめました。

「健康(Kenko)」

  • あんじょう健康大学
  • 健康づくりきっかけ教室
  • 健康測定会
  • あんじょう健康マイレージ
  • 健康づくりDay
  • 全日本大学女子ソフトボール選手権開催
  • 女子ソフトボール・女子バスケットボールの日本リーグ開催

リニューアルしたソフトボール場A球場

【リニューアルしたソフトボール場A球場】

「環境(Kankyo)」

  • 名鉄新安城駅での駅舎の改修費
  • 名鉄南桜井駅のホーム等改修費
  • 防犯灯のLED化(明るさ向上、電気料金とCO2の削減)
  • 柿田公園での環境学習事業
  • 安城町・宮前地区ポンプ場の排水能力増強
  • 南明治土地区画整理地区内での末広公園整備

「経済(Keizai)」

  • 乾杯条例の施行による地産地消の推進
  • 南明治土地区画整理地内での都市拠点施設整備

安城南明治市有地有効活用事業整備イメージ図

【安城南明治市有地有効活用事業整備イメージ図】

「きずな(Kizuna)」

  • ケンサチグランプリ採択事業の自立に向けた支援
  • 障害者が地域で安心して暮らすため地域生活支援拠点等整備
  • 感震ブレーカーの設置補助エリアを市内全域に拡大
  • 民間ブロック塀等の撤去補助
  • プラネタリウム、天体観望会による科学的好奇心の醸成

オリジナル番組「安城星と水の物語」

【オリジナル番組「安城星と水の物語」】

「こども(Kodomo)」

  • 低年齢児保育ニーズへの対応
  • 公立保育園の日常業務のICT化推進
  • 中学校における部活動指導体制の充実

 

平成31年度は、私にとりまして市長任期5期目の最初の新年度となります。これまでの市長16年間の経験と実績を生かし、子どもや若者をはじめ、すべての市民の皆様が、未来の夢を語ることができ、そして、その夢を形に変えることができるよう、新しい時代の変化を次の飛躍へのチャンスとしたいと思います。

「みらいが日本一元気なまち 安城」と誇れるまちづくり、そして、市民の皆様が健康で幸せに暮らすことのできるまちの実現を目指します。

2019年3月11日

贈ることば

卒業シーズンを迎え、高校、中学と卒業式への出席が続きました。中学校卒業式については、今年は安城西中学校を訪問しました。この春、新たな旅立ちをされるすべて皆さんに向けて、私の祝辞全文を以下に紹介することとしました。

安城西中学校卒業証書授与式の祝辞の様子

「安城西中学校を卒業される皆さん、ご卒業誠におめでとうございます。皆さんは義務教育課程を終えられ、これから新たな世界に進んでゆかれます。今後も、それぞれの進路先でしっかり勉強され、ご活躍いただきますことを心よりご期待申し上げます。

さて、今日の安城市発展の歴史的な礎(いしずえ)をなしてきたのは明治用水でありますが、明治用水は来年、明治時代初期の通水開始から140年を迎えることになります。その歴史的な農業用水計画を立案されたのは、江戸時代末期に活躍された都築弥厚であり、この郷土の偉人に関しては、皆さんもいろいろ勉強しておられることと思います。

現在の安城市域の大半は、江戸時代までは水の利便が悪い「安城が原」と言われた荒地でした。そのため農業用の水に困り、水を巡る争いが絶えなかったようです。それを見かねた弥厚は、矢作川から水を引く農業用水の開削を思い立ちましたが、その壮大な計画を正しく理解できる人が当時は少なく、私財を投げ打ったものの彼の生前中は計画倒れの状態でした。

そして時代は明治に移り、弥厚の遺志を継いだ方々のご尽力により、明治13年に明治用水に矢作川の水が流れ、その後、安城が原は農地としての開墾が進み、大正の末期から昭和の初期にかけて、一時は「日本デンマーク」と言われるほどの農業先進地帯として全国から注目を集めました。

都築弥厚自身は、造り酒屋の富豪の家に育ちましたが、明治用水計画で資産を失ったばかりか、計画そのものを実現することなく亡くなってしまいました。果たして彼は、幸せな人だったのでしょうか。

ところで皆さんは、一昨年、105歳でお亡くなりになった日野原重明先生というお医者さんをご存知でしたでしょうか。日野原先生は5年前の春、当時102歳でしたが、安城市へお越しになられご講演くださいました。また、先生は子ども向けの本を出しておられ、小中学校で「いのちの授業」を行っておられました。お医者さんとして多くの方々の最期を看取られ、またご自身も大変なご長寿でしたので、命というものをより的確に捉えておいでのことだったかと思います。

日野原先生は、子ども向けの本の中で「命は心臓や脳にあるものではありません。命とは今生きているこの時間そのものだと思います。自分が使える時間を、自分だけのためではなく、人のために使うことが大切です」と述べておられます。つまり、私たちが生きている時間は限られていますが、その制限時間内で、真に社会的に意義のある行動ができるかどうか。それが自らの命の価値を左右することになるのではないかと、先生はそうお書きになっておられます。

自らに与えられた人生の歳月の多くを、農業用水の実現に向けて費やした都築弥厚。彼が死ぬ間際に、自らの人生をどう振り返ったかは分かりませんが、大きな歴史の流れから見た時に、彼の生きた時間、つまり彼の命というものはいかに光り輝いて見えることでしょうか。

今年の1月、死者・行方不明者6千4百人を超す被害を出した阪神淡路大震災から、24年目を迎えました。また、1万8千人を超す死者・行方不明者を出した東日本大震災発生から、間もなく8年目を迎えることになります。

これから私たちが生きてゆく時代に、おそらく南海トラフの巨大地震が発生するのではないかと、私はすでに覚悟をしています。そう考えれば、私たちの命にも長い時間が保証されている訳ではありません。一瞬一瞬の時間を大切にし、自分自身に与えられた時間をどう周りの人のために、また社会のために役立ててゆくのか。そのことを今日からしっかり考えて、自らの命に大きな価値を持たせられるような人生を歩んで行っていただきたいと願います。

今後の皆さんの人生が、輝かしい価値のあるものとなりますことを心よりお祈り申し上げまして、お祝いのごあいさつとさせていただきます。本日のご卒業、誠におめでとうございます。」

安城西中学校卒業証書授与式祝辞の様子

【安城西中学校卒業証書授与式祝辞の様子】

この祝辞は、東日本大震災が発生した3月11日にWeb上へ掲載することとしました。災害により亡くなられた方々や、そのご遺族の皆さんに思いを馳せて、同様の大きな悲劇を繰り返さないよう、私たちは今のうちに防災・減災対策を推し進めねばなりません。また、はかない私たちの命が、光輝くような実り多き人生を歩んでゆくことを、日々心がけてゆきたいものです。

自然災害で亡くなられた皆さまのご冥福を、心よりお祈り申し上げます。

2019年3月1日

災害に備える

間もなく3月11日がやって来ます。この日が何を意味するのか知らない日本人は、ほとんどいないことかと思います。今から8年前のこの日、東日本大震災が発生し、死者・行方不明者を合せると1万8千人を超す大変な被害が出てしまいました。改めて亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。

そして、私たちはこの地域で発生が懸念される南海トラフ巨大地震に、今からしっかり備えておく必要があります。「備えあれば憂いなし」と言いますが、まずどんなことから始めたらよいのでしょうか。私の体験や思いなどを、以下にまとめてみました。

アウトドアの効能

私事で恐縮ですが、私の趣味は登山で、私は山登りを通じたアウトドア活動をかれこれ24年間楽しんできています。主に本州中部の日本アルプスと呼ばれる山々に登り、登った山の数は自分でもよく分からないほどです。標高3千メートル前後の主峰では、剣岳と立山に登っていないくらいで、その他の山々は登り尽くしたつもりです。

そんな私が登山を本格的に始めたきっかけは、阪神淡路大震災の被災地ボランティア参加に始まります。平成7年1月17日に発生した阪神淡路大震災から1か月後の2月半ば、当時、市議会議員であり安城青年会議所メンバーでもあった私は、日本青年会議所からの要請を受ける形で大きな被害が出ていた西宮市へ出かけました。

都市直下型の地震だった阪神淡路大震災は、神戸市を中心とする臨海部に大きな被害をもたらしており、マスコミ報道はとかく神戸市内の被害に偏りがちでした。しかし、神戸市東部に隣接する西宮市内の被害も大きく、死者数が1千1百人を超し、全壊家屋約3万4千世帯、半壊家屋2万7千世帯と大変お気の毒な状況でした。

阪神淡路大震災の被災地「西宮市」の状況  倒壊家屋・電柱による通行不能道路の様子

【阪神淡路大震災の被災地「西宮市」の倒壊家屋・電柱による通行不能道路の様子】

当時の被災地では、まだ電気、水道、都市ガスなど、都市インフラが回復していないため、ボランティア参加者は、事前に食料、水、携帯ガスコンロ、寝袋を持参するように言われ、それらを買い揃えリュックに詰めて出かけました。現地の私は、全国から被災地へ送り届けられた救援物資を、個々の被災家庭に歩いて配布する役割を与えられました。

各家庭への訪問を続けていますと、「わが家は生活必需品が足りているから、物資は他の家庭に回してあげて」と言われる家もありました。急な訪問にもかかわらず、私たちがボランティアで支援活動をしていることを知ると、饒舌(じょうぜつ)になられていろいろな被災体験を語られる方が多く、被災地で必要とされるのは「真心によるコミュニケーション」なのだと悟りました。終日数多くの家庭訪問をしたことで、ずいぶん多くの方々の話をお聞きすることができました。

2泊3日の被災地ボランティアから帰宅し、まだ真新しいガスコンロや寝袋をどうしようかと考えた時、それらが登山道具のほぼ一式であることに気がつきました。つまり都市インフラも何もない大自然の中で過ごすことができれば、大災害が発生した時、生き延びることができるのだということに気がつきました。

市議会議員という立場の私は、「災害時に助けてもらう立場ではなく、人を助けられる立場でいたい」と考えた時、健康管理や体力づくり、そして緊急事態への対応の訓練も兼ねて登山を始めることとし、現在に至っています。そして、今でもこうした被災地支援からの体験や、その後のアウトドアでの活動で気づいたこと等は、本市の防災計画に盛り込むように心がけています。また市長就任後も、東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨などの被災地へは、発災から1か月以内には出かけることとしてきており、本市からも積極的に人的支援を行ってきました。

ところで、西宮市内で被災生活をされる方々を眺めていて、子どもや若者の姿が極端に少ないことに気がつき、とても不思議に思われました。現地の方に事情をお聞きしてみたところ、その理由をいくつか教えてくださいました。そもそも、都会育ちの彼らは生まれながらにして、夜中でもネオンや街灯の見える生活が当たり前となっており、初めて経験する一切の照明もない闇が怖くて、真っ暗な家の中での過ごすことに耐えられなかったという信じられないような実話を耳にしました。

この他にも、「水洗トイレが使えない状況に耐えられない」、「毎日お風呂に入れない生活が考えられない」などの理由で、子どもや若者たちだけ、比較的被害の少ない地域の親戚や友人のお宅で世話になって暮らしていました。住みなれた地域で、被災後も日々の生活を送っているのは、戦時中の耐乏生活をくぐり抜けて来られた比較的ご高齢の方々が多いという理由がよく分かりました。

その時、私は初めて本市の小中学校で、新城市の作手地区や根羽村の茶臼山高原にて、比較的長期にわたる野外活動を行ってきていることの意義を理解することができ、さっそく当時の教育長にそのことを報告申し上げた記憶があります。基本的にアウトドア活動は思う存分楽しみたいものですが、大自然の中での経験や気づきの中には、大きな災害が発生した際、自らや家族の身を守るために役に立つヒントが潜んでいるという側面も意識していただきたいと思います。

市議当時登山を始めた頃 テント村(涸沢)

【市議当時 登山を始めた頃】       【テント村(涸沢)】

防災減災まちづくり

阪神淡路大震災などを機に、建築基準法など生活の安全にかかわる法基準の大幅な見直しが進められました。それとともに老朽化した木造住宅が密集している地域が、災害時にいかに危険かもよく理解されるようになりました。

本市内でも、かつて更生病院があった現在のアンフォーレ周辺、いわゆる「南明治地区(花の木・末広・御幸)」をどうするかが、地域の方々によって熱心に議論され始めるようになりました。それまで長年、新たに都市整備を受け入れるかどうかの賛否が分かれていた南明治地区でしたが、土地区画整理を柱とした事業を受け入れてゆこうとする気運が高まり始めました。

その後、平成15年の市長選挙で私が初当選を果たすこととなりましたが、この時の選挙では、この地区の区画整理を進めるかどうかも問われていたことを今も忘れてはいません。私の市長就任間もなく、「神谷市政は1期4年で終わる」という陰口が叩かれていることを耳にしていました。歴代市長が、住民との衝突や大規模な財政支出を危惧して回避してきていた南明治地区の区画整理事業という本市の難題に、果敢にも真正面から立ち向かってしまった私への率直な印象だったのでしょう。たしかに当初、一部の住民の皆さんからずいぶん激しい反対の抗議も受けましたが、不思議なことに私は今も相変わらず市長の職にあり、安城のまちづくりに精力的に取り組ませていただいています。

現在進行中の南明治地区の区画整理事業については、近年、まちづくりやまち興しの視点からの議論が盛んになったと感じます。現在のあの界隈の風景からは、悲惨な都市災害などは連想しづらくなってきたということなのでしょう。それはそれで喜ぶべきことなのかもしれないと思っています。

選挙において政治家に問われるのは、在職年数の長短や立ち振る舞いの派手さではなく、社会的、歴史的に見て、どんな価値のある仕事をなしえたのかであってほしいと願っています。先の市長選挙の結果が、そうした民意が反映されたものであったとすれば、誠に僭越(せんえつ)ながら、本市にとって歴史的な価値のある選挙だったのではないかとふり返ります。

老朽住宅除却前の状況(左) 建物が取り壊された後の状況(中央) 道路整備後の状況(右)

【老朽住宅除却前の状況(左)建物が取り壊された後の状況(中央)道路整備後の状況(右)】

2019年2月15日

市長就任式あいさつ

さる2月3日に執行された安城市長選挙で、5度目の当選を果たすことができ、本日より新たな任期が始まりました。多くの有権者の皆さんの温かなご支援に感謝申し上げています。

また、そうした民意による選択の背景には、私の意を汲んだ市職員の皆さん方の日常的な職務精励があります。よってある意味、市長である私への評価であると同時に、皆さんの仕事ぶりも含めた本市行財政に対する総合評価と言っても過言ではなかろうかと思っています。

とは言え、他の候補者の得票を合わせますと、私の得票にほぼ並びます。今回の市長選挙は、政策に大きな争点がなかったと言われており、主に私の5選の是非が論じられていたようでした。したがって、行財政運営に関しては一定の評価がなされていた一方で、私の多選に対する懸念をお持ちの市民も多くおいでであると受け止めています。

職員の皆さんにおかれましては、自分たちの政策立案や施策推進に関しての自信を持つと同時に、引き続き緊張感を保っての職務精励をよろしくお願い申し上げます。また私自身は、多選に対する負のイメージを払拭する覚悟で、今後4年間の行財政運営に当たってまいります。

市長初登庁(5期目)

【市長初登庁(5期目)】

ところで、職員の皆さんとともに歩んできたこれまでの4期16年間で、土地利用の見直しや都市基盤の整備など、いろいろなまちづくりを進めてまいりました。そして今、それらがようやく花を咲かせつつあり、間もなく実を結ぶことが見通せるようになってきています。

具体的に、安城市内の北から順に申し上げれば、まずは北部地区で愛知県によって進めていただいている主要地方道の名古屋岡崎線ですが、来年の春頃に開通予定とお聞きしており、それに合わせて本市も名古屋岡崎線にアクセスする市道の改修を精力的に進めています。また、名鉄と交渉してきました名鉄新安城駅の駅舎の建て替えも完成は2年後とされており、これらによって北部の公共交通環境も向上します。このように新しい道路網と公共交通の拠点がほぼ同時並行で整備されますので、バランスのとれた新たな北部の交通体系を考えてゆかねばなりません。また、こうした交通環境の整備に呼応する形で、大手企業による新たな研究開発施設の建設も計画されており、その成果に期待しています。

次にJR安城駅周辺ですが、現在はアンフォーレにより活況を呈してきていますが、間もなくNTTの南隣の28街区5千平方メートルにて、民間企業グループによる総合開発が始められます。高層マンション、オフィスビル、シティホテルなどが複合的に建設されることとなっており、5月末に起工式を迎えます。数年後にアンフォーレと並ぶにぎわいの核ができることにより、まち中の一層の活力が期待されます。

また、JR三河安城駅はこの春に開業31年目を迎えます。駅そのものはさほど古くは見えませんが、関連施設や周辺の広場などに老朽化が見られるようになっています。駅周辺では民間企業による新たな再開発の構想があり、そうした動きと連動する形でJR三河安城駅周辺の再整備に着手してゆかねばなりません。さらに、リニア中央新幹線の開業まであと8年となり、これを見すえた新たな市街化区域拡大も、地元のご理解をいただきながら進めてゆきます。

また、南部では、国道23号和泉インターを挟んだ東西で、新たな工業用地の造成を進めております。西側の14haにつきましては県企業庁に進めていただいており、すでに進出企業が決定しています。また東側の4haについては市の開発公社が造成を進めており、5つの区画に分けて中小企業へ優先分譲してゆきます。数年後には、さまざまな企業の生産拠点が建設されるものと期待しています。

さらに、名鉄桜井駅周辺の土地区画整理事業ですが、全体工事の約8割が完了となりつつあり、胸突き八丁に差しかかっている状況です。概ねの都市基盤の整備ができ、まちの未来像を具体的にイメージできるようになっており、地域の皆さんとともによい形で仕上げてゆきたいと思います。

このように本市内では、各地でバランスよく民間企業による新規投資が進められます。これからの時代は、こうした民間投資とうまく協調する形で、新たな経済活力やまちの賑わいを生み出してゆくべきと考えています。市内にみなぎっているこうしたよき気運を大切にして、未来への飛躍につなげる4年間としてゆかねばなりません。

 

都市基盤整備やまちづくりに関しては以上ですが、私たちがこれまで掲げてきたケンサチ運動もさらに進め、市民の真に健やか幸せな生活実現を図ります。

差し迫った問題として、本市が間もなく超高齢社会を迎えるという現実を直視せねばなりません。昨年秋までの段階で、本市の高齢化率は20.6%と聞いております。WHOなどによれば高齢化率が21%を超えれば、その社会を超高齢社会とすると定義されており、本市も間もなく超高齢社会に突入します。また、2025年問題ということばが喧伝されてきましたが、そろそろ「団塊の世代」の皆さんが75歳以上の後期高齢者になってゆかれます。

その時、私たちの社会の医療・福祉は健全な状況でいられるのかという、関係の皆さんの不安の声に早い段階でお応えすべく、本市の目指す都市像を、健やか幸せを意味する「健幸都市」としたという経緯があります。こうした社会の変化を前提に、本市の社会システムそのものが超高齢社会に適合したものであるのかどうか、一つ一つ検証してゆく必要があります。

また、全国的な人手不足の影響もあり、女性の社会進出が求められており、それにともなう低年齢児保育や児童クラブでの預かりのニーズが増加を続けています。子育て支援策は充実させてきているつもりですが、こうした社会背景によるニーズの急増に対応するのが大変難しくなってきています。

秋からの消費税引き上げにより、こうした少子高齢化対策にどれほどの財源を投ずることができるのか。まだ不透明な側面がありますが、今まで以上の対応を講じて、市民のケンサチな暮らし実現を図ってまいります。

私たちの社会は日々変化を続けています。地域社会の変化を的確に読み、時代にかなった政策立案をし、その推進を図ることが求められます。

現在本市は市制66周年です。これから4年後に市制70周年を迎えますが、70年の本市の歴史の20年分を私が担うこととなり、その責任の重さに思いを馳せますと身震いがいたします。今回の市長選挙で示された民意に寄り添い、またこれまでの4期16年の経験を頼りとして、時宜にかなった施策を推進してゆく所存です。すべての市民が、このまちで暮らすことに喜びと幸せを感じられますように、職員の皆さんの引き続きの職務精励をよろしくお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。

4年間、どうぞよろしくお願い申し上げます。

市長就任式

【市長就任式】

 

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